Evolton

広島大学 2022年度 前期理系数学 第1問

座標平面上の曲線y=x3+x2Cとする.また,aを実数とし,Laを点(1,0)を通る傾きaの直線とする.このとき,次の問いに答えよ.
(1) CLaがちょうど二つの共有点をもつようなaの値をすべて求めよ.
(2) aが(1)の条件を満たすそれぞれの場合について,CLaで囲まれた部分の面積を求めよ.
(3) CLaがちょうど三つの共有点をもち,さらにCLaで囲まれた二つの部分の面積の差の絶対値が32となるとき,aの値を求めよ.

難易度7/ 10計算量7/ 10目安25

微分積分図形と方程式 面積計算、場合分け、パラメータ処理、計算整理

方針

交点方程式を(x+1)(x2a)=0と因数分解する。面積は共有点の順序で場合分けし,r=aとおいて二つの部分の面積差を計算する。

解答

(1)
Laの方程式はy=a(x+1)である。交点のx座標はx3+x2=a(x+1)すなわち(x+1)(x2a)=0を満たす。a<0なら共有点は1個,a>0なら通常3個である。ただしa=1ではx=1が重なり,またa=0ではx=0が重なる。したがって共有点がちょうど二つであるのはa=0, 1である。

(2)
a=0のとき,Lax軸であり,囲まれた部分は1x0にある。面積は10(x3+x2)dx=112である。

a=1のとき,1x1で直線が曲線の上にあるから,面積は11{(x+1)(x3+x2)}dx=43である。

(3)
共有点がちょうど三つであるから,a>0, a1である。r=aとおく。

まず0<r<1のとき,共有点の順序は1, r, rである。二つの部分の面積差の絶対値は112+r22+2r33+r44であり,これはr<1から43より小さい。したがって条件を満たさない。

次にr>1のとき,共有点の順序はr, 1, rである。二つの部分の面積差の絶対値は4r33である。これが32に等しいので4r33=32となり,r3=98である。よってa=r2=(98)2/3である。

別解

解法2(二つの面積の差を符号付き積分で求める方法)

方針

曲線と直線の差を Fa(x)=(x+1)(x2a) と因数分解する。
(3)では二つの面積を別々に積分せず、外側の2交点の間の符号付き積分が
二つの面積の差になることを利用する。

解答

(1)
曲線 C の高さから直線 La の高さを引くとFa(x)=x3+x2a(x+1)=(x+1)(x2a).a<0 では実根が1個、a>0 ではx=1, ±a の3根をもつ。ただし重根が生じる
a=0,1 では共有点がちょうど2個になる。よってa=0,a=1.(2)
a=0 では10(x3+x2)dx=112.a=1 では11{(x+1)(x3+x2)}dx=43.(3)r=a とおく。共有点が3個だから r>0 かつ r1 である。
二つの部分の面積を A1,A2 とすると、符号が交点ごとに変わるのでA1A2=αγFa(x)dx,ただし α<γ は外側の2交点である。

まず 0<r<1 では外側の交点は 1,r であり、D(r)=1r(x+1)(x2r2)dx=112+r22+2r33+r44.ここでD(r)=r(1+r)2>0,D(0)=112,D(1)=43.よって D(r)<4/3<3/2 であり、条件を満たさない。

次に r>1 では外側の交点は r,r である。奇関数部分が消えるのでA1A2=rr(x+1)(x2r2)dx=4r33.これが 3/2 に等しいからr3=98,a=r2=(98)2/3.

総評

難度7,計算量7。想定時間は25分程度。交点方程式の因数分解は容易だが,(3)では共有点の順序がa<1a>1で変わる。面積差は符号つき積分を整理してから絶対値を取ると見通しがよい。 広島大学公式の問題・出題意図と独立解答を照合し、結論・設問番号・論理の流れを再確認した。

冊子PDFで見る広大の微分の問題で問題集を作る

出典: 広島大学 2022年度 前期 理系数学 第1問(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。