Evolton

広島大学 2022年度 前期理系数学 第5問

次の問いに答えよ.
(1) 2(22)と(22)2との大小を比較せよ.
(2) 関数f(x)をf(x)=2xと定義し,座標平面上の曲線y=f(x)をCとする.C上の点(2,f(2))における接線の方程式を,実数m,kを用いてy=mx+kと表すとき,mとkの値をそれぞれ求めよ.
(3) f(x)およびmとkを(2)のように定める.すべての実数xに対してf(x)≧mx+kが成り立つことを示せ.
(4) 数列 {an}をa1=2および漸化式an+1=2an(n=1,2,3,…)により定義する.自然数nに対して
2−an+1≦(log⁡2)⋅(2−an)
が成り立つことを示し,極限値lim⁡n→∞anを求めよ.必要ならば,自然対数の底がe=2.718…であることを用いてよい.

難易度6/ 10計算量5/ 10目安18分

指数・対数、微分、数列 接線・法線、微分による最大最小、不等式評価、はさみうち

方針

(1) は底2>1にそろえて指数を比較する。(2)(3)は接線を求め,差の関数の増減から接線が下にあることを示す。(4)は(3)をx=anに適用し,0<log⁡2<1を使って2−anをはさむ。

解答

(1) (22)2=(2)2=2である。また2<2で,底2は1より大きいから22<(2)2=2である。したがって2(22)<(2)2=2となる。よって2(22)<(22)2である。

(2) f′(x)=log⁡22(2)xである。f(2)=2より,接線の傾きはm=f′(2)=log⁡2である。接線が(2,2)を通るから2=2m+kであり,k=2−2log⁡2である。

(3) h(x)=f(x)−{(log⁡2)x+2−2log⁡2}とおく。するとh′(x)=log⁡22f(x)−log⁡2=log⁡2(f(x)2−1)である。f(x)は増加関数であり,f(2)=2であるから,h′(x)<0はx<2,h′(x)>0はx>2で成り立つ。またh′(2)=0である。したがってh(x)はx=2で最小となり,h(2)=0である。よってすべての実数xについてf(x)≧(log⁡2)x+2−2log⁡2=mx+kである。

(4)
(3)をx=anに適用するとan+1=f(an)≧(log⁡2)an+2−2log⁡2である。したがって2−an+1≦(log⁡2)(2−an)が成り立つ。

またa1=2<2であり,an<2ならan+1=(2)an<(2)2=2であるから,すべての自然数nについてan<2である。よって0<2−an+1≦(log⁡2)(2−an)である。e>2より0<log⁡2<1であるから0<2−an≦(log⁡2)n−1(2−2)となる。右辺は0に収束するのでlim⁡n→∞an=2である。

別解

解法2(凸性と平均値の定理を使う方法)

方針

f(x)=(2)x の2階導関数が正であることから、グラフが
x=2 における接線以上にあることを示す。数列の収束は、平均値の定理で
誤差 2−an が毎回 log⁡2 倍未満になることを示す。

解答

(1)
1<2<2 だから22<22=2.底 2 は1より大きいので、指数を比べて2(22)<22=(22)2.(2)f′(x)=log⁡22(2)x,f(2)=2,f′(2)=log⁡2.よって接線 y=mx+k はm=log⁡2,k=2−2log⁡2.(3)f′′(x)=(log⁡2)24(2)x>0だから f は狭義凸関数である。したがってグラフは各接線の上側にあり、
特に x=2 における接線についてf(x)≧(log⁡2)x+2−2log⁡2がすべての実数 x で成り立つ。

(4)
a1=2<2 であり、an<2 ならan+1=(2)an<(2)2=2.よって帰納的に an<2 である。平均値の定理により、
an<ξn<2 を満たす ξn が存在して2−an+1=f(2)−f(an)=f′(ξn)(2−an).f′ は増加し、e>2 より f′(2)=log⁡2<1 だから0<2−an+1<(log⁡2)(2−an).繰り返すと0<2−an<(log⁡2)n−1(2−2)⟶0.はさみうちの原理よりlim⁡n→∞an=2.

総評

難度6,計算量5。想定時間は18分程度。接線を下からの評価として使う誘導問題である。(3)の増減確認を丁寧に書けば,(4)は差 2−an の評価に直結する。0<log⁡2<1を用いるため,最後に収束のはさみ方を明示することが重要である。 広島大学公式の問題・出題意図と独立解答を照合し、結論・設問番号・論理の流れを再確認した。

冊子PDFで見る広大の指数・対数の問題で問題集を作る

出典: 広島大学 2022年度 前期 理系数学 第5問(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。