Evolton

広島大学 2023年度 前期理系数学 第4問

数列{an}を
a1=2,an+1=(n6(n+1)(an)3)2(n=1,2,3,…)
により定める.また
bn=log⁡2ann2(n=1,2,3,…)
とおく.次の問いに答えよ.必要ならば,lim⁡n→∞nlog⁡2n62n=0であることを用いてよい.
(1) b1,b2を求めよ.
(2) 数列{bn}は等比数列であることを示せ.
(3) lim⁡n→∞162n∑k=1nlog⁡2k=0であることを示せ.
(4) 極限値lim⁡n→∞162n∑k=1nlog⁡2a2kを求めよ.

難易度5/ 10計算量5/ 10目安20分

数列、指数・対数 漸化式の変形、和の計算、はさみうち、計算整理

方針

漸化式をan+1(n+1)2の形に直すと,bn+1=−6bnが出る。(4)ではlog⁡2a2k=b2k+2log⁡2(2k)に分解し,対数和は(3)で消えることを使う。

解答

(1) a1=2よりb1=log⁡22=1である。またa2=(16⋅223)2=116であるからb2=log⁡21/1622=log⁡2164=−6である。

(2)
漸化式よりan+1(n+1)2=n12an6=(ann2)−6である。したがってbn+1=log⁡2an+1(n+1)2=−6log⁡2ann2=−6bnである。よって{bn}は初項1,公比−6の等比数列であり,bn=(−6)n−1である。

(3)
1≦k≦nのとき0≦log⁡2k≦log⁡2nであるから0≦∑k=1nlog⁡2k≦nlog⁡2nである。よって0≦162n∑k=1nlog⁡2k≦nlog⁡2n62nである。右辺は与えられた極限により0に収束するので,はさみうちによりlim⁡n→∞162n∑k=1nlog⁡2k=0である。

(4)
(2)よりb2k=(−6)2k−1=−62k−1である。またlog⁡2a2k=b2k+2log⁡2(2k)だから∑k=1nlog⁡2a2k=−∑k=1n62k−1+2∑k=1nlog⁡2(2k)である。ここで∑k=1n62k−1=6(1+62+⋯+62n−2)=6(62n−1)35であり,また262n∑k=1nlog⁡2(2k)=2n62n+262n∑k=1nlog⁡2k→0である。したがって求める極限値は−635である。

別解

解法2(一般項を先に求めて偶数項の和を分離する方法)

方針

bn の漸化式を解いて an の閉じた形を先に得る。すると log⁡2a2k は「多項式的に増える項」と「等比的に増える項」に分かれ、極限への寄与を別々に評価できる。

解答

(1) (2)
定義から an=n22bn である。これを漸化式へ代入するとan+1={n6(n+1)(n22bn)3}2=(n+1)2 2−6bn.よってbn+1=log⁡2an+1(n+1)2=−6bn.またb1=log⁡22=1,b2=−6.したがって {bn} は初項1、公比 −6 の等比数列でbn=(−6)n−1,an=n22(−6)n−1.(1)(3)
1≦k≦n では log⁡2k≦log⁡2n だから0≦162n∑k=1nlog⁡2k≦nlog⁡2n62n.右辺は問題文で与えられた極限により0へ収束する。はさみうちの原理からlim⁡n→∞162n∑k=1nlog⁡2k=0.(4)
(1)からlog⁡2a2k=2log⁡2(2k)+(−6)2k−1=2log⁡2(2k)−62k−1.よって求める式は262n∑k=1nlog⁡2(2k)−162n∑k=1n62k−1.(2)第1項について∑k=1nlog⁡2(2k)=n+∑k=1nlog⁡2kであり、(3)と n/62n→0 から極限は0である。

第2項は等比数列の和より∑k=1n62k−1=6∑j=0n−136j=6(36n−1)35.したがって(2)の極限は0−lim⁡n→∞6(36n−1)35⋅36n=−635.

総評

目安時間は16〜20分。標準解法は各設問を順に処理し、別解は bn から an=n22(−6)n−1 を先に確定した。偶数番目では (−6)2k−1 が負になる符号に注意する。対数和は 36n に比べて無視でき、等比和だけが極限へ残る構造を明示すると答案が見通しよくなる。

冊子PDFで見る広大の数列の問題で問題集を作る

出典: 広島大学 2023年度一般選抜前期 数学 第4問(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。