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広島大学 2023年度 前期理系数学 第5問

関数f(x)=log⁡3x+3x2+3について,次の問いに答えよ.
(1) y=f(x)のグラフの概形をかけ.ただし,グラフの凹凸は調べなくてよい.
(2) sを定数とするとき,次のxについての方程式(*)の異なる実数解の個数を調べよ.
(*) f(x)=s
(3) 定積分∫032x2x2+3 dxの値を求めよ.
(4) (2)の(*)が実数解をもつsに対して,(2)の(*)の実数解のうち最大のものから最小のものを引いた差をg(s)とする.ただし,(2)の(*)の実数解が一つだけであるときにはg(s)=0とする.関数f(x)の最大値をαとおくとき,定積分∫0αg(s) dsの値を求めよ.

難易度7/ 10計算量7/ 10目安30分

指数・対数、微分、積分、関数 グラフの概形、微分による最大最小、置換積分、面積計算

方針

まず定義域と増減を調べる。0≦s≦αでのg(s)は,水平線y=sがグラフの正の部分を切る横幅なので,∫0αg(s) dsを∫03f(x) dxとして計算する。

解答

(1)
定義域はx>−1である。f′(x)=1x+1−2xx2+3=−(x+3)(x−1)(x+1)(x2+3)である。したがってf(x)は−1<x<1で増加し,x>1で減少する。またf(0)=0,f(3)=0,f(1)=log⁡32であり,lim⁡x→−1+0f(x)=−∞,lim⁡x→∞f(x)=−∞である。よってグラフはx=1で最大値log⁡32をとり,(0,0),(3,0)を通る形である。

(2) α=log⁡32とおく。(1)の増減より,方程式f(x)=sの異なる実数解の個数は{0(s>α),1(s=α),2(s<α)である。

(3) ∫032x2x2+3 dx=∫03(2−6x2+3) dxである。x=3tan⁡θとおくと,x=0のときθ=0,x=3のときθ=π3であり,∫03dxx2+3=13∫0π/3dθ=π33である。したがって∫032x2x2+3 dx=6−2π3である。

(4)
0≦s≦αのとき,g(s)はグラフy=f(x)のうち0≦x≦3,y≧0の部分を水平線で切った長さである。したがって∫0αg(s) ds=∫03f(x) dxである。ここで∫03f(x) dx=∫03log⁡(3x+3) dx−∫03log⁡(x2+3) dxである。まず∫03log⁡(3x+3) dx=3log⁡3+4log⁡4−3である。また,部分積分により∫03log⁡(x2+3) dx=3log⁡12−∫032x2x2+3 dxであるから,(3)を用いて∫03log⁡(x2+3) dx=3log⁡12−6+2π3である。よって∫0αg(s) ds=3+2log⁡2−2π3である。

別解

解法2(2解の幅を判別式で表して直接積分する方法)

方針

r=es とおいて方程式 f(x)=s を x の2次方程式に直す。2実根の差は「判別式の平方根÷2次係数」なので g(s) を明示できる。最後は r−12=cos⁡θ と置換して直接積分する。

解答

(1)
定義域は x>−1 である。またf′(x)=1x+1−2xx2+3=−(x+3)(x−1)(x+1)(x2+3).したがって f は −1<x<1 で増加し、x>1 で減少する。f(0)=f(3)=0,f(1)=log⁡32,lim⁡x→−1+0f(x)=−∞,lim⁡x→∞f(x)=−∞.よって最大値はα=log⁡32であり、グラフの概形は次の通りである。(2)
r=es>0 とおくと f(x)=s は3x+3x2+3=r,rx2−3x+3r−3=0(1)と同値である。この2次方程式の判別式はΔ=9+12r−12r2=12{1−(r−12)2}.r>0 のもとで Δ の符号を調べると、ss<αs=αs>α異なる実数解の個数210となる。なお(1)の実根は元の定義域 x>−1 に含まれる。実際、元の関数の増減からも各枝に1個ずつ対応する。

(3) 2x2x2+3=2−6x2+3.x=3tan⁡θ とおけば、x=0,3 は
θ=0,π/3 に対応するから∫03dxx2+3=13∫0π/3dθ=π33.したがって∫032x2x2+3 dx=6−2π3.(4)
0≦s<α では(1)の2実根の差が g(s) である。r=es と判別式を用いてg(s)=Δr=23r1−(r−12)2.また ds=dr/r だから∫0αg(s) ds=23∫13/21−(r−12)2r2 dr.r−12=cos⁡θ とおくと、
r=1,3/2 はそれぞれ θ=π/3,0 に対応する。よって∫0αg(s) ds=23∫0π/3sin⁡2θ(cos⁡θ+12)2 dθ.(2)ここでsin⁡2θ(cos⁡θ+12)2=34(cos⁡θ+12)2+1cos⁡θ+12−1.(3)半角置換 u=tan⁡(θ/2) によりJ1:=∫0π/3dθcos⁡θ+12=2log⁡23,J2:=∫0π/3dθ(cos⁡θ+12)2=23−4log⁡233.(2),(3)へ代入すると∫0αg(s) ds=23(34J2+J1−π3)=3+2log⁡2−2π3.

総評

目安時間は25〜30分。標準解法は水平切片の長さの積分をグラフ下の面積へ読み替え、別解は2次方程式の根の差 g(s)=Δ/es を直接積分した。最大点は x=1 であり 3 ではない。置換後の積分では ds=dr/r の因子を落とさず、端点 s=α では g(α)=0 になることも確認する。

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出典: 広島大学 2023年度一般選抜前期 数学 第5問(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。