方針
に対応する2本の境界方向ベクトルを求めると, はその2本の半直線で挟まれた平面内の角領域になる。中心を と表し,2本の境界直線からの距離が半径以上になる条件を の下限として書く。原点からの距離を最小にする点を求める。
解答
のときの方向ベクトルをとし, のときの方向ベクトルをとする。すると はで表される角領域である。
,, である。2本の境界直線のなす角を とすると,である。
平面内で見れば,中心は両境界から半径以上離れた角領域の内側にあり,最短の中心は両境界に接する。
円の中心を とする。境界直線 からの距離は, の に垂直な成分の長さだからである。これが半径 以上であるためには が必要である。同様に,境界直線 からの距離はであるから, が必要である。
したがって中心は の範囲で を最小にすればよい。, とおくと,である。ここで であり, だから, である。したがって,最小は ,すなわち のときである。
よって中心はである。
別解
別解(角の二等分線を用いる)
方針
最短となる円は2本の境界半直線の両方に接する。中心 から両境界までの距離を等置し,さらにその共通距離を半径 とおく。
解答
, とおくと,
,, であるからである。
原点から最も近い半径 の円は,2本の境界半直線の両方に接する。実際,一方に接していなければ,中心を領域の内側へ保ったまま原点側へ少し動かせるからである。中心をとすると, までの距離は , までの距離は である。したがって を代入するとよって中心はである。
総評
【公式出題意図との対応】公式の出題意図は,点の集合を2本の半直線で囲まれた平面内の領域と捉え,両方の境界に接する円を用いて空間ベクトルと平面幾何を運用できるかを確かめることにある。
難度7,計算量5。想定時間は25分程度。領域 を2本の半直線で挟まれた角領域と見抜くことが最重要である。採点点は端の2方向 の計算,中心から2境界への距離条件, のもとで原点距離を最小化する処理である。
【独立検算】独立検算では境界方向の内積と外積から両境界までの距離を再計算し,中心 からの距離がいずれも であることを確認した。