問題
原点を とする座標空間内の2点 , に対して
で定まる点 が存在する範囲を とする。 に含まれる半径 の円のうち,その中心と原点との距離が最小となるものを とする。円 の中心の座標を求めよ。
出典:一橋大学 2025年度 前期 文系 第4問
方針
標準解法(境界からの距離を最小化)
に対応する2本の境界方向ベクトルを求めると, はその2本の半直線で挟まれた平面内の角領域になる。中心を と表し,2本の境界直線からの距離が半径以上になる条件を の下限として書く。原点からの距離を最小にする点を求める。
別解(角の二等分線を用いる)
最短となる円は2本の境界半直線の両方に接する。中心 から両境界までの距離を等置し,さらにその共通距離を半径 とおく。
解答
標準解法(境界からの距離を最小化)
のときの方向ベクトルを
とし, のときの方向ベクトルを
とする。すると は
で表される角領域である。
,, である。2本の境界直線のなす角を とすると,
である。
平面内で見れば,中心は両境界から半径以上離れた角領域の内側にあり,最短の中心は両境界に接する。
円の中心を とする。境界直線 からの距離は, の に垂直な成分の長さだから
である。これが半径 以上であるためには が必要である。同様に,境界直線 からの距離は
であるから, が必要である。
したがって中心は の範囲で を最小にすればよい。, とおくと,
である。ここで であり, だから, である。したがって,最小は ,すなわち のときである。
よって中心は
である。
別解(角の二等分線を用いる)
, とおくと,,, であるから
である。
原点から最も近い半径 の円は,2本の境界半直線の両方に接する。実際,一方に接していなければ,中心を領域の内側へ保ったまま原点側へ少し動かせるからである。中心を
とすると, までの距離は , までの距離は である。したがって
を代入すると
よって中心は
である。