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一橋大学 2025年度 前期文系数学 第4問

原点を O とする座標空間内の2点 A(0,3,5)B(5,2,10) に対してOP=s{(1t)OA+tOB},s0,15t35で定まる点 P が存在する範囲を D とする。D に含まれる半径 102 の円のうち,その中心と原点との距離が最小となるものを C とする。円 C の中心の座標を求めよ。

難易度7/ 10計算量5/ 10目安25

ベクトル図形と方程式 ベクトル成分計算内積の利用図形的解釈、範囲評価

方針

t=1/5,3/5 に対応する2本の境界方向ベクトルを求めると,D はその2本の半直線で挟まれた平面内の角領域になる。中心を au+bv と表し,2本の境界直線からの距離が半径以上になる条件を a,b の下限として書く。原点からの距離を最小にする点を求める。

解答

t=1/5 のときの方向ベクトルをu=45OA+15OB=(1,2,2)とし,t=3/5 のときの方向ベクトルをv=25OA+35OB=(3,0,4)とする。すると Dau+bv(a0, b0)で表される角領域である。

u=3v=5uv=5 である。2本の境界直線のなす角を θ とすると,sinθ=1(13)2=223である。

平面内で見れば,中心は両境界から半径以上離れた角領域の内側にあり,最短の中心は両境界に接する。

円の中心を X=au+bv とする。境界直線 Ou からの距離は,bvOu に垂直な成分の長さだからbvsinθ=b5223=1023bである。これが半径 102 以上であるためには b3 が必要である。同様に,境界直線 Ov からの距離はausinθ=a3223=22aであるから,a5 が必要である。

したがって中心は a5, b3 の範囲で au+bv を最小にすればよい。A=a50B=b30 とおくと,au+bv2=9a2+25b210ab=300+60A+100B+9A2+25B210ABである。ここで A,B0 であり,9A2+25B230AB だから,9A2+25B210AB20AB0 である。したがって,最小は A=B=0,すなわち a=5,b=3 のときである。

よって中心は5u+3v=5(1,2,2)+3(3,0,4)=(14,10,2)である。

別解

別解(角の二等分線を用いる)

方針

最短となる円は2本の境界半直線の両方に接する。中心 X=au+bv から両境界までの距離を等置し,さらにその共通距離を半径 102 とおく。

解答

u=(1,2,2)v=(3,0,4) とおくと,
u=3v=5cosθ=1/3 であるからsinθ=223である。

原点から最も近い半径 102 の円は,2本の境界半直線の両方に接する。実際,一方に接していなければ,中心を領域の内側へ保ったまま原点側へ少し動かせるからである。中心をX=au+bv(a,b>0)とすると,Ou までの距離は 5bsinθOv までの距離は 3asinθ である。したがって5bsinθ=3asinθ=102.sinθ=22/3 を代入するとb=3,a=5.よって中心はX=5u+3v=(14,10,2)である。

総評

【公式出題意図との対応】公式の出題意図は,点の集合を2本の半直線で囲まれた平面内の領域と捉え,両方の境界に接する円を用いて空間ベクトルと平面幾何を運用できるかを確かめることにある。

難度7,計算量5。想定時間は25分程度。領域 D を2本の半直線で挟まれた角領域と見抜くことが最重要である。採点点は端の2方向 (1,2,2),(3,0,4) の計算,中心から2境界への距離条件,a5,b3 のもとで原点距離を最小化する処理である。

【独立検算】独立検算では境界方向の内積と外積から両境界までの距離を再計算し,中心 (14,10,2) からの距離がいずれも 102 であることを確認した。

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出典: 一橋大学 2025年度 一般選抜(前期日程)数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。