方針
線分 へ初めて達する瞬間には,最後の一歩が必ず右向きである。直前の 歩に含まれる右向き移動を数えて を求める。(問3)は原点から までの全経路を『初めて となる時刻』で重複なく分類する。
解答
(問1)
である。秒後に初めて線分上に達するには、秒後の点がであり、最後の一歩でにならなければならない。したがって最初の歩のうち右向きの移動は回であるからである。
(問2)
とする。秒後に線分上へ初めて達する点はである。最後の一歩はからへの右向き移動であるから、その前の歩には右向き移動が回、上向き移動が回含まれる。よってである。
(問3)
原点からへ行く動き方の総数は、全歩のうち右向きの歩を選ぶのでである。一方、このような経路は、線分に初めて達する時刻がのいずれかにただ一つ定まる。したがって経路全体をこので分類するとが成り立つ。
【経路の見取り図】
青い線分へ初めて入る一歩は必ず右向きである。したがって,最後の一歩を除いた 歩だけを並べればよい。
別解
別解(問3:パスカルの公式による代数証明)
方針
(問2)の を代入し,パスカルの公式から得られるホッケースティック型の和を帰納的に証明する。
解答
(問3)
(問2)よりここでを について示す。 では両辺は1である。 で成り立つとき,パスカルの公式よりよって でも成り立つ。 としてを得る。
総評
【公式解答例との対応】公式と同じく「初到達の直前」を数え,, を得た。全経路を初到達時刻で分類する組合せ論的証明と,パスカルの公式による代数的別解の両方を収録した。
難度4,計算量3,想定時間12分。最後の一歩を固定せず とすると,「それ以前に線分へ達していない」という条件を数え落とす。終点 までの各経路には初到達時刻がただ一つあるため,分類に重複も漏れもない。
【独立検算】 の全35経路を初到達時刻で分類すると となり,和が35であることを確認した。