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熊本大学 2025年度 前期数学① 第2問

座標平面上でx座標とy座標がともに整数である点を格子点という。格子点上を次の規則に従って動く点Pを考える。
1。最初に点Pは原点Oにある。
2。ある時刻で点Pが格子点(x,y)にあるとき,その1秒後には(x+1,y)または(x,y+1)へ動く。
格子点上にA(m,0),B(m,n)を取る。ただし,m,nは正の整数である。最初からk秒後に,端点A,Bを含む線分AB上に点Pが初めて達するまでのPの動き方の総数をakとする。以下の問いに答えよ。
(問1) m=3,n=4のとき,a7を求めよ。
(問2) mkm+nに対してakを求めよ。
(問3) 等式k=mm+nak=m+nCmが成り立つことを示せ。

難易度4/ 10計算量3/ 10目安12

場合の数論証・証明 数え上げ、誘導利用、和の計算

方針

線分 AB へ初めて達する瞬間には,最後の一歩が必ず右向きである。直前の k1 歩に含まれる右向き移動を数えて ak を求める。(問3)は原点から (m,n) までの全経路を『初めて x=m となる時刻』で重複なく分類する。

解答

(問1)
m=3,n=4,k=7である。7秒後に初めて線分AB上に達するには、7秒後の点が(3,4)であり、最後の一歩でx=3にならなければならない。したがって最初の6歩のうち右向きの移動は2回であるからa7=6C2=15である。

(問2)
mkm+nとする。k秒後に線分AB上へ初めて達する点は(m,km)である。最後の一歩は(m1,km)から(m,km)への右向き移動であるから、その前のk1歩には右向き移動がm1回、上向き移動がkm回含まれる。よってak=k1Cm1である。

(問3)
原点から(m,n)へ行く動き方の総数は、全m+n歩のうち右向きのm歩を選ぶのでm+nCmである。一方、このような経路は、線分ABに初めて達する時刻kmkm+nのいずれかにただ一つ定まる。したがって経路全体をこのkで分類するとk=mm+nak=m+nCmが成り立つ。

【経路の見取り図】

青い線分へ初めて入る一歩は必ず右向きである。したがって,最後の一歩を除いた k1 歩だけを並べればよい。

別解

別解(問3:パスカルの公式による代数証明)

方針

(問2)の ak=k1Cm1 を代入し,パスカルの公式から得られるホッケースティック型の和を帰納的に証明する。

解答

(問3)
(問2)よりk=mm+nak=k=mm+nk1Cm1.ここでk=mm+rk1Cm1=m+rCmr について示す。r=0 では両辺は1である。r で成り立つとき,パスカルの公式よりm+rCm+m+rCm1=m+r+1Cm.よって r+1 でも成り立つ。r=n としてk=mm+nak=m+nCmを得る。

総評

【公式解答例との対応】公式と同じく「初到達の直前」を数え,a7=15ak=k1Cm1 を得た。全経路を初到達時刻で分類する組合せ論的証明と,パスカルの公式による代数的別解の両方を収録した。

難度4,計算量3,想定時間12分。最後の一歩を固定せず kCm とすると,「それ以前に線分へ達していない」という条件を数え落とす。終点 (m,n) までの各経路には初到達時刻がただ一つあるため,分類に重複も漏れもない。

【独立検算】m=3,n=4 の全35経路を初到達時刻で分類すると a3,a4,a5,a6,a7=1,3,6,10,15 となり,和が35であることを確認した。

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出典: 熊本大学 令和7年度一般選抜(前期日程)数学①(公式問題・解答例)(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。