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名古屋大学 2018年度
文理共通数学 文系第3問・理系第4問

問題

下図のように、2つの正方形 を辺 で共有するように並べた図形を考える。

名古屋大学 2018年度 文系第3問・理系第4問の図1

2点 が6個の頂点 を次の規則に従って移動する。


(a)時刻0では、点 は頂点 に、点 は頂点 にいる。


(b)点 は時刻が1増えるごとに独立に、今いる頂点と辺で結ばれている頂点へ等確率で移動する。

時刻 まで2点が同時に同じ頂点にいることが一度もない確率を とする。また、時刻 まで一度も同じ頂点におらず、かつ時刻 に2点がともに同じ正方形上にいる確率を とし、と定める。


(1)時刻1での点 の可能な配置を、すべて図示せよ。


(2) を求めよ。


(3) で表せ。


(4) を示せ。

出典:名古屋大学 2018年度 前期日程 第2次学力試験 文理共通 文系第3問・理系第4問

方針

解法1

頂点の隣接関係を明示し、時刻1では の2通りと の3通りを組み合わせて6配置を図示する。そのうち衝突2配置を除き、残る4配置を「同じ正方形上」と「異なる正方形」に分類する。以後に現れる非衝突配置は2種類にまとめられ、同じ正方形型からの遷移確率は 、異なる正方形型からは となる。最後は1歩後まで生存する確率が最大でも であることを使う。

解法2

非衝突配置を同じ正方形上の型 と異なる正方形の型 にまとめ、確率ベクトル を使う。代表配置の全移動を数えて2行2列の遷移行列を作る。初期ベクトルから の値を計算し、列ごとの生存確率の最大値 を使って全確率を評価する。

解答

解法1

(1)

時刻1で のいずれかへ、 のいずれかへ移る。よって6配置は

である。これらを図示すると次のようになる。

名古屋大学 2018年度 文系第3問・理系第4問の図1

(2)

時刻1の6配置はそれぞれ確率 である。 は衝突するので除く。残るうち

は2点が同じ正方形上にあり、 だけは異なる正方形にいる。よって

時刻1の各非衝突配置から、時刻2での非衝突配置を数える。

したがって

(3)

時刻 まで衝突していない到達可能な配置は、偶数時刻では

奇数時刻では

である。いずれの時刻でも、前4配置が 型、後2配置が 型である。

代表配置を1つずつ調べると、次の遷移表を得る。

図形の左右対称性により、同じ型の他の配置でも同じである。したがって

(4)

時刻0ではまだ衝突していないので である。上の不等式を繰り返して

解法2

(1)

時刻1の配置は

の6通りである。うち は時刻1で衝突する。

(2)

非衝突4配置のうち、同じ正方形上にあるものが3個、異なる正方形にあるものが1個なので

同じ正方形型の代表 からは6通り中、次の同じ正方形型が3通り、異なる正方形型が1通りである。異なる正方形型の代表 からは4通り中、それぞれ2通り、1通りである。よって遷移行列は

したがって

(3)

同じ分類はすべての時刻で保たれるため

すなわち

(4)

行列の第1列の和は 、第2列の和は である。これは、現在が同じ正方形型なら次の1歩でも衝突しない確率が 、異なる正方形型なら であることを意味する。したがって条件付き生存確率は常に 以下であり、

から