方針
2つの放物線の上下差 C2−C1 を平方完成し、交点条件と面積を同じ量 d=b−a2/3 で表す。d>0 が異なる2交点の条件であり、囲まれた部分は中心 x=2a/3 の左右対称な放物線弓形になる。面積は d−23u2 を交点間で積分して S=2(2d/3)3/2 と求める。制約 b≦a+3 のもとでは、S が d の増加関数であることを使い、d の上限 a+3−a2/3 を最大化する。
解答
(1)
交点の x 座標は 21x2=−(x−a)2+b を満たす。整理すると 23x2−2ax+a2−b=0 である。2つの放物線が異なる2点で交わるためには、この二次方程式が異なる2つの実数解を持てばよい。
判別式を D とすると D=(−2a)2−4⋅23(a2−b)=4a2−6a2+6b=6b−2a2 である。したがって条件は 6b−2a2>0 すなわち b>3a2 である。
(2)
2つの放物線の上下差を計算する。C2−C1={−(x−a)2+b}−21x2=b−a2+2ax−23x2=b−3a2−23(x−32a)2.ここで d=b−3a2 とおく。(1)より囲まれた図形ができるときは d>0 である。交点は d−23(x−32a)2=0 を満たすので、x−32a=32d である。 u=x−32a とおき、h=32d とする。このとき d=23h2 であり、面積 S はS=∫−hh(d−23u2)du=∫−hh23(h2−u2)du=23(2h3−32h3)=2h3=2(32d)3/2. S=16 であるためには 2(32d)3/2=16 すなわち (32d)3/2=8 である。両辺は正なので 32d=4 となり、d=6 である。したがって求める条件は b=3a2+6 である。
(3) b≦a+3 より d=b−3a2≦a+3−3a2 である。右辺を ϕ(a)=a+3−3a2 とおくと、平方完成により ϕ(a)=415−31(a−23)2 である。したがって d≦415 であり、等号は a=23,b=a+3=29 のときに成り立つ。
面積は S=2(32d)3/2 であり、d>0 の範囲で d について増加する。したがって S の最大値は d=415 のときであり、Smax=2(32⋅415)3/2=2(25)3/2=2510である。
別解
解法2
方針
交点の x 座標を α<β とし、上下差を −23(x−α)(x−β) と因数分解する。交点間隔 L=β−α だけで面積が S=L3/4 と表せる。さらに二次方程式の判別式 D=6b−2a2 から L=2D/3 を得て、(2)と(3)を判別式の最大化として処理する。
解答
(1) 交点の x 座標が満たす方程式は23x2−2ax+a2−b=0である。その判別式はD=(−2a)2−4⋅23(a2−b)=6b−2a2.異なる2点で交わるための必要十分条件は D>0 だからb>3a2である。
(2) 交点の x 座標を α<β とし、L=β−α とおく。2曲線の上下差は、最高次係数と2つの零点からC2−C1=−23(x−α)(x−β)=23(x−α)(β−x)と書ける。したがって t=x−α とおけばS=23∫αβ(x−α)(β−x)dx=23∫0Lt(L−t)dt=4L3.二次方程式の解の差は、最高次係数が 3/2 であることからL=3/2D=32D.S=16 なら L3/4=16 より L=4 である。よって32D=4,D=36.すなわち 6b−2a2=36 なのでb=3a2+6である。
(3) 条件 b≦a+3 よりD=6b−2a2≦6(a+3)−2a2=245−2(a−23)2≦245.等号は a=3/2, b=a+3=9/2 のときに成り立つ。このときLmax=32245=10.面積 S=L3/4 は L>0 で増加するからSmax=4(10)3=2510である。
総評
放物線の交点・面積・制約付き最大化を一つの量に集約する問題。目安時間は15〜20分。公式出題意図では、微分積分の基本計算に加えて後半の洞察力が評価対象とされる。上下差を平方完成する解法では d=b−a2/3、交点間隔を使う解法では L=β−α が中心で、S=2(2d/3)3/2=L3/4 が一致する。最大値の等号条件 (a,b)=(3/2,9/2) まで確認する。
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出典: 名古屋大学 2022年度 一般選抜(前期日程)数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。