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名古屋大学 2022年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第3問

複素数平面上に,原点Oを頂点の1つとする正六角形OABCDEが与えられている。
ただしその頂点は時計の針の進む方向と逆向きにO,A,B,C,D,Eとする。
互いに異なる0でない複素数α,β,γが,0arg(βα)π,4α22αβ+β2=0,2γ2(3α+β+2)γ+(α+1)(α+β)=0を満たし,α,β,γのそれぞれが正六角形OABCDEの頂点のいずれかであるとする。

(1) βαを求め,
α,βがそれぞれどの頂点か答えよ。

(2)(α,β,γ)をすべて求め,
それぞれの組について正六角形OABCDEを複素数平面上に図示せよ。

難易度7/ 10計算量6/ 10目安25

複素数平面 複素数の極形式、回転・拡大、実部虚部比較、場合分け

方針

まず α0 を用いて z=β/α とおき、二次方程式から z=1±3i を得る。偏角条件で z=1+3i=2ω に決まり、正六角形の非零頂点の比を調べると α=A,β=C が確定する。つぎに ω=(1+3i)/2 とおき、B,C,D,EA=α の倍数で表す。γB,D,E のいずれかなので、λ=γ/α を3候補に限って2本目の方程式に代入し、α を決定する。最後に各組の頂点座標を列挙して図示に対応させる。

解答

(1) α0 なので z=βα とおく。条件 4α22αβ+β2=0α2 で割ると z22z+4=0 である。したがって z=1±3i である。

ここで arg(1+3i)=π3,arg(13i)=π3 であり、条件 0arg(βα)π より βα=1+3i である。

正六角形の辺 OA を表す複素数を u とし、ω=1+3i2 とおく。頂点は反時計回りにO=0,A=u,B=(1+ω)u,C=2ωu,D=(2ω1)u,E=(ω1)uと表せる。非零頂点どうしの比が 1+3i=2ω になるのは A から C への比だけである。したがって α=A,β=C である。

(2)
(1)より β=2ωα である。また α,β,γ は互いに異なるので、γB,D,E のいずれかである。 λ=γ/α とおくと、候補は λ=1+ω,2ω1,ω1 である。2つ目の方程式 2γ2(3α+β+2)γ+(α+1)(α+β)=0β=2ωαγ=λα を代入し、α0 で割ると{2λ2(3+2ω)λ+(1+2ω)}α+(1+2ω2λ)=0である。したがって各候補について α は次のように決まる。γ の頂点λαγB1+ω1232i3232iD2ω11434i3434iEω11236i1236iさらに β=2ωα より、得られる組は(α,β,γ)=(1232i,2,3232i),(α,β,γ)=(1434i,1232i,3434i),(α,β,γ)=(1236i,233i,1236i)である。

それぞれの組について、正六角形の頂点は次のように図示できる。第1の組ではA=1232i,B=3232i,C=2,D=32+32i,E=12+32i.第2の組ではA=1434i,B=32i,C=1232i,D=3434i,E=12.第3の組ではA=1236i,B=1232i,C=233i,D=1232i,E=1236i.いずれも O=0 とし、上に列挙した A,B,C,D,E を順に結べば、反時計回りの正六角形 OABCDE になる。

別解

解法2

方針

(1)β/α を解いて、原点中心の回転・拡大として A,C を特定する。(2)は2本目の方程式を (2γαβ)(γα1)=0 と因数分解する。前者は対角線 AC の中点で頂点にならないため γ=α+1。あとは γ=B,D,E の各回転倍率と比較して3組を得る。

解答

(1) α0 なので、最初の方程式を α2 で割ると(βα)22βα+4=0.よってβα=1±3i.偏角条件から負号は除かれ、βα=1+3i=2(cosπ3+isinπ3)である。つまり α の点を原点のまわりに反時計回りに π/3 回転し、距離を2倍すると β の点になる。正六角形 OABCDE の頂点のうち、この関係になるのはα=A,β=Cだけである。

(2) 2本目の方程式は(2γαβ)(γα1)=0と因数分解できる。γ=(α+β)/2 は線分 AC の中点であり、正六角形の頂点ではない。したがってγ=α+1である。ζ=cos(π/3)+isin(π/3)=(1+3i)/2 とおく。A=α を基準にするとB=(1+ζ)α,C=2ζα,D=(2ζ1)α,E=(ζ1)α.γα,β と異なる非零頂点なので、候補は B,D,E である。

γ=B のとき、(1+ζ)α=α+1 より ζα=1。したがってα=1232i,β=2,γ=3232i.γ=D のとき、(2ζ1)α=α+1 より (2ζ2)α=1。したがってα=1434i,β=1232i,γ=3434i.γ=E のとき、(ζ1)α=α+1 より (ζ2)α=1。したがってα=1236i,β=233i,γ=1236i.3組に対応する正六角形は次の通りである。赤点が α,β,γ に対応する3頂点を表す。

総評

複素数の代数条件を正六角形の回転・拡大へ翻訳する論証問題。目安時間は20〜26分。公式出題意図は、複素数の基本性質から図形的性質を導く洞察力と計算力を評価するとしている。偏角条件で 13i を除くこと、(α+β)/2 が頂点でないこと、γ の候補が B,D,E で尽くされることを書く。代入法と因数分解法で同じ3組を得て、各組は元の2方程式への代入と実際の頂点図で検算する。

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出典: 名古屋大学 2022年度 一般選抜(前期日程)数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。