方針
共有点条件へu=x2を導入して原点から放物線までの距離の最小値を求める。接線と放物線の交点方程式の判別式から根の差を出し、放物線弓形の積分を計算する。
解答
(1)
放物線 C と円 D が共有点をもつとすると,y=1−x2 を円の方程式 x2+y2=r2 に代入してx2+(1−x2)2=r2である。u=x2 とおくと u≧0 でu+(1−u)2=u2−u+1=(u−21)2+43である。したがって左辺の最小値は 43 であり,r2≧43 のとき共有点をもつ。共有点をもたない条件は0<r2<43であるから,求める範囲は0<r<23である。
(2) s=sinθ,c=cosθ とおく。0<θ<π より s>0 である。円 D 上の点 (rc,rs) における接線 l はcx+sy=rである。放物線 y=−x2+1 との交点の x 座標は−x2+1=sr−cxすなわちsx2−cx+r−s=0を満たす。この二次方程式の判別式はΔ=c2−4s(r−s)=1+3s2−4rsである。(1)の範囲では 0<r<23 なので Δ>0 であり,2交点が存在する。
接線と放物線の間の面積を求める。接線と放物線の差はsr−cx−(−x2+1)=x2−scx+sr−1である。この二次式の2つの根を p<q とすると,q−p=sΔ である。2交点の間では放物線が接線より上にあるから,S=∫pq(x−p)(q−x)dx=6(q−p)3である。したがってS=6sin3θ(1+3sin2θ−4rsinθ)3/2である。
別解
解法2(平方完成した放物線弓形)
方針
原点と放物線上の点との距離の2乗をxで微分して(1)を確認する。(2)では接線と放物線の縦の差を平方完成し、対称区間上のA2−X2の積分へ直接変換する。
解答
(1)
放物線上の点(x,1−x2)と原点との距離の2乗をF(x)=x2+(1−x2)2=x4−x2+1とする。F′(x)=4x3−2x=2x(2x2−1)より、極値候補はx=0, ±1/2である。また∣x∣→∞でF(x)→∞だから、F(±21)=43が最小値である。したがって円が放物線と共有点をもたない条件は0<r2<43,すなわち0<r<23.(2)
s=sinθ>0,c=cosθとおく。円上の点(rc,rs)での接線はcx+sy=r.よって接線はy=(r−cx)/sであり、放物線と接線の縦の差はH(x)=(−x2+1)−sr−cx=−x2+scx+1−sr.ここでΔ=c2−4s(r−s)=1+3s2−4rsとおくと、平方完成によりH(x)=4s2Δ−(x−2sc)2.(1)まずΔ>0を確認する。Δ=3(s−32r)2+1−34r2.(1)の範囲r2<3/4より右辺は正である。したがって接線と放物線は異なる2点で交わり、(1)が正となる部分が囲まれた図形である。X=x−2sc,A=2sΔとおくと、交点はX=±Aに対応する。よってS=∫−AA(A2−X2)dX=[A2X−3X3]−AA=34A3=6s3Δ3/2.したがってS=6sin3θ(1+3sin2θ−4rsinθ)3/2.s>0なので分母の符号や平方根の枝に曖昧さはない。
総評
難度6、計算量6、想定20分。(1)は原点から放物線までの最短距離、(2)は接線が切り取る放物線弓形の面積である。根の差を使う標準解法と平方完成による対称積分で同じ式を得た。Δ=3(sinθ−2r/3)2+1−4r2/3>0も明示した。
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出典: 岡山大学 2024年度 前期 文系数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。