広島大学 2020年度
文系数学 第1問
- 試験区分
- 前期
- 対象
- 文系
- 分野
- 微分、積分、図形と方程式
- 解法
- 接線・法線、判別式、展開・因数分解、面積計算
- 難易度
- 5 / 10 計算量 6 / 10 目安 —
問題
m,p,q を実数とする。二つの関数を
f(x)=32x2+31x,g(x)=61(x−p)2+q
と定める。座標平面上の放物線
C1:y=f(x),C2:y=g(x)
および直線 l:y=mx について、次の二つの条件を仮定する。
(i) 直線 l は原点 O において放物線 C1 に接する。
(ii) 直線 l は放物線 C2 に接する。
直線 l と放物線 C2 の接点を A とする。次の問いに答えよ。
(1) m の値を求めよ。
(2) q を p を用いて表せ。また、点 A の座標を p を用いて表せ。
(3) p=−1 とする。放物線 C1 と放物線 C2 の二つの共有点の x 座標を p を用いて表せ。
(4) p=2 とする。放物線 C1 と放物線 C2 で囲まれた図形のうち、x≧0 の範囲にある部分の面積 S と、x≦0 の範囲にある部分の面積 T をそれぞれ求めよ。
出典:広島大学 2020年度 前期 文系 第1問
方針
解法1(接点の傾きから順に決める)
原点での接線の傾きから m を決める。次に C2 の導関数を直線の傾きと等置して接点を求め、接点が直線上にある条件から q を定める。共有点は二次方程式を因数分解し、最後は二つの放物線の上下関係を確認して別々に積分する。
解法2(接線との差を完全平方にする)
直線 y=x/3 と各放物線との差を見る。C2 がこの直線に接する条件を判別式0として処理すると、差が完全平方になる。さらに f−g も積の形へ直し、交点と面積を一つの式から読む。
解答
解法1(接点の傾きから順に決める)
(1)
微分すると
f′(x)=34x+31.
直線 l は原点で C1 に接するから
m=f′(0)=31.
(2)
g′(x)=31(x−p)
である。接点の x 座標を r とすると、接線の傾きが 1/3 であることから
31(r−p)=31,r=p+1.
接点は直線 y=x/3 上にもあるので
g(p+1)=61+q=3p+1.
したがって
q=62p+1,A=(p+1,3p+1).
(3)
共有点では f(x)=g(x) である。両辺を6倍して整理すると
3x2+2(p+1)x−(p+1)2=0.
左辺は
{3x−(p+1)}(x+p+1)
と因数分解できる。p=−1 だから二つの解は異なり、
x=3p+1,x=−(p+1)
である。
(4)
p=2 のとき q=5/6 であり、
f(x)−g(x)=21(x+3)(x−1).
したがって共有点は x=−3,1 で、−3<x<1 では g(x)>f(x) である。位置関係は次図のようになる。
よって
S=∫01{g(x)−f(x)}dx,T=∫−30{g(x)−f(x)}dx.
ここで
g(x)−f(x)=−21x2−x+23
だから、
S=65,T=29.
解法2(接線との差を完全平方にする)
(1)
f(x)−3x=32x2
であるから、直線 y=x/3 は原点で C1 に接する。したがって
m=31.
(2)
直線と C2 の差は
6(g(x)−3x)=x2−2(p+1)x+p2+6q.
これが重解をもつための条件は
{2(p+1)}2−4(p2+6q)=0.
よって
q=62p+1.
このとき
g(x)−3x=61{x−(p+1)}2
となるので、接点は
A=(p+1,3p+1)
である。
(3)
(2)の q を用いると
f(x)−g(x)=61{3x−(p+1)}(x+p+1).
したがって p=−1 のとき、共有点の x 座標は
3p+1,−(p+1)
である。
(4)
p=2 なら
g(x)−f(x)=21(1−x)(x+3).
よって
ST=21∫01(1−x)(x+3)dx=65,=21∫−30(1−x)(x+3)dx=29.