広島大学 2024年度
理系数学 第4問
- 試験区分
- 前期
- 対象
- 理系
- 分野
- 複素数平面
- 解法
- 図形的解釈、複素数の極形式、式変形、対称性の利用
- 難易度
- 4 / 10 計算量 4 / 10 目安 —
問題
複素数平面において、点1を中心とする半径2の円をCとする。次の問いに答えよ。
(1) 点αが円Cと虚軸との交点であるとき、α+α1を求めよ。
(2) 円C上の点zに対し、点−z1も円C上にあることを示せ。
(3) 円C上の点zに対し、w=z+z1とする。複素数w,zは
∣w−2∣=∣z∣2
を満たすことを示せ。
(4) 円C上の点zに対し、(3)で定めた複素数wは
∣w−2∣∣w+2∣=4
を満たすことを示せ。
出典:広島大学 2024年度 前期 理系 第4問
方針
解法1(標準解法)
円の条件∣z−1∣2=2を展開し、∣z+1∣2=2∣z∣2を導く。w±2を因数分解して絶対値をとり、積を求める。
解法2(極形式による反転の追跡)
z=ρ(cosθ+isinθ)とおき、円の条件をρ2−2ρcosθ−1=0へ直す。−1/zの絶対値と偏角を追って同じ円の方程式を満たすことを示し、最後はw±2の積の構造を用いる。
解答
解法1(標準解法)
(1)
αは虚軸上にあるから α=yi とおける。円C上にある条件は
∣yi−1∣2=2
であり、1+y2=2より y=±1 である。したがって α=±i であり、いずれの場合も
α+α1=0
である。
(2)
∣z−1∣=2より
∣z∣2−z−z−1=0
である。よって
∣z+1∣2=∣z∣2+z+z+1=2∣z∣2
である。したがって
となるので、点−z1も円C上にある。
(3)
w−2=z+z1−2=z(z−1)2
である。したがって
∣w−2∣=∣z∣∣z−1∣2=∣z∣2
である。
(4)
w+2=z+z1+2=z(z+1)2
である。(2)の計算より ∣z+1∣2=2∣z∣2 であるから
∣w+2∣=∣z∣∣z+1∣2=2∣z∣
である。よって(3)と合わせて
∣w−2∣∣w+2∣=∣z∣2⋅2∣z∣=4
である。
解法2(極形式による反転の追跡)
円Cは原点を通らないので、以下ではz=0である。
(1)
虚軸上ではα=yi(yは実数)と書ける。∣α−1∣2=2から
y2+1=2,y=±1.
したがってα=±iであり
α+α1=0.
(2)
z=ρ(cosθ+isinθ)(ρ>0)とおく。円C上にある条件は
∣z−1∣2=2
すなわち
ρ2−2ρcosθ−1=0.(*)
一方
−z1=ρ1{cos(π−θ)+isin(π−θ)}.
この点に対して円の方程式の左辺を計算すると
ρ21−ρ2cos(π−θ)−1=ρ21+2ρcosθ−ρ2=0
となる。最後の等号は(∗)による。よって
−z1も円C上にある.
(3)
w−2=z+z1−2=z(z−1)2
より
∣w−2∣=∣z∣∣z−1∣2=∣z∣2.
(4)
(2)より−1/zも円C上にあるから
したがって
∣z∣∣z+1∣=2,∣z+1∣2=2∣z∣2.
また
w+2=z(z+1)2
なので
∣w+2∣=∣z∣∣z+1∣2=2∣z∣.
(3)と掛け合わせて
∣w−2∣∣w+2∣=∣z∣2⋅2∣z∣=4.
この積は、zと−1/zが同じ円上にあるという反転対称性が、w平面上の2点±2からの距離の積へ移ったものと解釈できる。