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広島大学 2024年度 前期理系数学 第3問

x座標、y座標がともに整数である座標平面上の点を格子点と呼ぶことにする。座標平面上の3点を頂点にもつ三角形上の格子点とは、頂点、辺または内部に含まれている格子点のことをいう。四角形に対しても同様に四角形上の格子点を定めるものとする。

O(0,0)を座標平面上の原点とする。abを互いに素な自然数、nを自然数として、座標平面上の点Pn(an,0)Qn(0,bn)を考える。次の問いに答えよ。

(1) 直線PnQn上の格子点(x,y)x0y0を満たすものは(ak,b(nk))(k=0,1,,n)のみであることを示せ。

(2) P1Q1をそれぞれP,Qと表す。点R(a,b)に対し、長方形OPRQ上の格子点の個数をabを用いて表せ。また、三角形OPQ上の格子点の個数をabを用いて表せ。

(3) 三角形OPnQn上の格子点の個数をa,b,nを用いて表せ。

(4) 座標空間内の原点O(0,0,0)3X(an,0,0)Y(0,bn,0)Z(0,0,n)をとる。点O,X,Y,Z4頂点とする四面体OXYZ上の格子点の個数をa,b,nを用いて表せ。ただし、x座標、y座標、z座標のすべてが整数である座標空間内の点を格子点と呼ぶことにする。また、四面体上の格子点とは、頂点、辺、面または内部に含まれている格子点のことをいう。

難易度7/ 10計算量7/ 10目安30

整数図形と方程式数列場合の数 約数・倍数、対称性の利用数え上げ和の計算

方針

斜辺の格子点を互いに素の条件で決定する。三角形内はx座標をaで割った商と余りに分けて縦に数え、四面体は整数の高さごとの三角形断面の和にする。

解答

(1)
直線PnQnの方程式はbx+ay=abnである。この直線上の格子点(x,y)について、上式をaで割った余りを見ると、bxaで割り切れる。abは互いに素であるから、xaで割り切れる。よって x=ak とおける。これを代入するとy=b(nk)である。x0,y0より k=0,1,,n であるから、求める格子点は(ak,b(nk))(k=0,1,,n)のみである。

(2)
長方形OPRQ上の格子点は 0xa0yb を満たす格子点であるから、個数は(a+1)(b+1)である。

(1)n=1に適用すると、対角線PQ上の格子点はP,Q2個だけである。長方形は対角線PQで合同な2つの三角形に分かれるので、三角形OPQ上の格子点の個数は(a+1)(b+1)+22=ab+a+b+32である。

(3)
三角形OPnQn内の格子点は0x,0y,bx+ayabnを満たす格子点である。x=aq+r0ra1と表す。ただし x=an の点は最後に別に数える。

q=0,1,,n1を固定する。r=0のとき、y0 から b(nq) までの b(nq)+1 個である。r=1,2,,a1のとき、braで割った商を用いて同様に数えると、固定したqに対する個数の和はa{b(nq)+1}(a1)(b+1)2である。ここで、braによる余りが1,2,,a1を一度ずつ動くことを用いた。

したがって、x=0,1,,an1に対応する個数を足し、さらにx=an,y=01個を加えるとq=0n1[a{b(nq)+1}(a1)(b+1)2]+1である。これを整理してabn2+(a+b+1)n+22を得る。

(4)
z=mm=0,1,,n)で切った断面を考える。この断面上の格子点は、(3)で nnm に置き換えた個数だけある。したがって、求める個数はk=0nabk2+(a+b+1)k+22である。よってabn(n+1)(2n+1)12+(a+b+1)n(n+1)4+n+1である。

別解

解法2(長方形の対称性)

方針

斜辺が長方形を合同な2つの三角形へ分けることを利用する。長方形全体の格子点数に、両側へ重複して数えられる斜辺上の格子点数を加えて2で割ればよい。この方法を一般のnへ直接適用し、最後は高さごとに和をとる。

解答

(1)
直線PnQnbx+ay=abnで表される。格子点(x,y)がこの直線上にあれば、abxを割り切る。a,bは互いに素なので、axを割り切る。よってx=akと書け、代入するとy=b(nk)となる。x,y0から0knであり、kは整数なので(x,y)=(ak,b(nk))(k=0,1,,n).逆にこれらの点はすべて直線上の格子点であるから、必要十分である。

(2)
長方形OPRQ上の格子点数は(a+1)(b+1).対角線PQは長方形を合同な2つの三角形に分ける。(1)でn=1とすると、PQ上の格子点はP,Qの2点だけである。

長方形全体の格子点を2つの三角形に振り分けると、対角線上の2点だけが両方に数えられる。2つの三角形の格子点数は等しいから、三角形OPQ上の格子点数をN1とすれば2N1=(a+1)(b+1)+2.よってN1=ab+a+b+32.(3)
三角形OPnQnを、長方形0xan,0ybnの対角線PnQnで切り出した半分とみる。長方形の格子点数は(an+1)(bn+1),(1)より対角線上の格子点数はn+1である。したがって、求める個数NnNn=(an+1)(bn+1)+(n+1)2=abn2+(a+b+1)n+22.この議論は境界・内部を含む格子点を漏れなく数え、対角線上だけを重複補正している。

(4)
四面体はxan+ybn+zn1,x,y,z0で表される。z=mm=0,1,,n)で切るとbx+ayab(nm)となるので、断面上の格子点数は(3)のNnmである。k=nmと置けば全格子点数はk=0nNk=12k=0n{abk2+(a+b+1)k+2}.ここでk=0nk=n(n+1)2,k=0nk2=n(n+1)(2n+1)6を用いるとabn(n+1)(2n+1)12+(a+b+1)n(n+1)4+n+1.n=0と形式的に置けば原点の1個になり、断面和の端点とも整合する。

総評

難度7、計算量7、想定25分。互いに素であることは斜辺上の格子点をn+1個に限定するために使う。解法1の剰余別の縦線数え上げに対し、解法2は長方形を対角線で二等分し、対角線上の重複だけを補正する。両者から同じNnを得た後、高さ別の断面和で四面体へ拡張した。ピックの定理など範囲外の定理は用いていない。

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出典: 広島大学 2024年度 前期 理系数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。