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広島大学 2024年度 前期理系数学 第5問

関数f(x)=log⁡(x+1+x2)に対し、次の問いに答えよ。

(1) 曲線y=f(x)はx>0で上に凸であることを示せ。

(2) すべてのx≧0に対し、不等式x1+x2≦f(x)≦xが成り立つことを示せ。

(3) 定積分∫034f(x) dxの値Sを求めよ。

(4) 曲線y=f(x)上の点で、x座標が34であるものをAとする。また、点Aにおける曲線y=f(x)の接線をlとする。lと直線y=xの交点をBとする。点O(0,0)、A,Bと点C(34,0)を頂点にもつ四角形ABOCの面積Tを求めよ。

(5) (1)〜(4)を利用して、log⁡2の小数第1位の数字を求めよ。

難易度7/ 10計算量7/ 10目安30分

指数・対数、微分、積分、関数 接線・法線、部分積分、置換積分、定積分評価、不等式評価、面積計算

方針

導関数と第2次導関数から凸性と基本不等式を示し、部分積分で曲線下の面積Sを求める。接線とy=xの交点から四角形の面積Tを計算し、S<Tと積分下界を組み合わせてlog⁡2を挟む。

解答

(1) f′(x)=1+x/1+x2x+1+x2=11+x2,f′′(x)=−x(1+x2)3/2.x>0ではf′′(x)<0であるから、曲線y=f(x)は上に凸である。

(2)
f(0)=0であり、x≧0で0<f′(x)≦1だからf(x)≦x.またh(x)=f(x)−x1+x2とおくとh(0)=0で、h′(x)=x2(1+x2)3/2≧0.よってx1+x2≦f(x)≦x(x≧0).(3)
部分積分により∫f(x) dx=xf(x)−∫x1+x2 dx=xf(x)−1+x2+C.ここでf(34)=log⁡(34+54)=log⁡2なのでS=34log⁡2−14.(4)
L=log⁡2とおく。A=(3/4,L)で、接線lの傾きは4/5であるからl:y−L=45(x−34).y=xとの交点はB=(5L−3,5L−3).四角形ABOCに座標の面積公式を用いるとT=12{34(5L−3)+34L−L(5L−3)}=−52L2+154L−98.(5)
(2)の左側の不等式を0≦x≦3/4で積分すると∫03/4x1+x2 dx≦S.左辺は1/4なので、(3)から14≦34L−14,L≧23.(1)次に(1)より、上に凸な曲線は点Aでの接線lの下側にある。また(2)より曲線は直線y=xの下側にある。0<x<3/4ではf′′(x)<0なので、接点以外では接線との不等式は厳密である。したがって曲線下の面積Sは、接線l、直線y=x、x軸、直線x=3/4で囲まれる四角形ABOCの面積Tより小さい。

よって34L−14<−52L2+154L−98,すなわち20L2−24L+7<0.左辺は(2L−1)(10L−7)なので12<L<710.(2)(1),(2)より23≦log⁡2<710.したがってlog⁡2の小数第1位の数字は 6.

別解

解法2(積分表示と指数置換)

方針

f′(x)=1/1+x2とf(0)=0からfを定積分として捉え、被積分関数の単調性だけで(2)を示す。(3)はu=x+1+x2という指数・対数範囲内の置換で独立に計算し、後半の面積評価へ接続する。

解答

(1) 、(2)
微分するとf′(x)=11+x2,f′′(x)=−x(1+x2)3/2.よってx>0でf′′(x)<0となり、上に凸である。またf(0)=0なのでf(x)=∫0xdt1+t2.\pagebreak[3]
0≦t≦xでは11+x2≦11+t2≦1である。区間の長さxを掛ければx1+x2≦f(x)≦x.(3)u=x+1+x2と置く。u>0であり、u−1=1+x2−xだからx=u−u−12,dx=1+u−22 du,f(x)=log⁡u.x=0,3/4はそれぞれu=1,2に対応するのでS=12∫12(1+u−2)log⁡u du.ここで∫log⁡u du=ulog⁡u−u,∫u−2log⁡u du=−log⁡u+1uよりS=12[ulog⁡u−u−log⁡u+1u]12=34log⁡2−14.(4)
L=log⁡2とおくと、A=(3/4,L)、接線の傾きは4/5である。接線とy=xの交点はB=(5L−3,5L−3)となる。四角形を対角線AOで2つの三角形へ分け、行列式で面積を求めてもT=−52L2+154L−98を得る。

(5)
(2)の積分表示から14=∫03/4x1+x2 dx≦S=34L−14なのでL≧2/3である。

また、fはx>0で狭義に上に凸であるため、曲線はAでの接線より厳密に下にあり、f(x)≦xでもある。よってS<Tで、20L2−24L+7=(2L−1)(10L−7)<0.したがってL<7/10である。以上から23≦log⁡2<710,ゆえに小数第1位は6である。

総評

難度7、計算量7、想定25分。微分・積分・接線・面積比較を連結する総合問題である。f(3/4)=log⁡2、接線の傾き4/5、B=(5log⁡2−3,5log⁡2−3)が要所となる。S<Tは狭義の凸性により正当化し、2/3≦log⁡2<7/10まで挟む。部分積分と指数置換の2通りでSを照合した。双曲線関数など課程外の記法は用いていない。

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出典: 広島大学 2024年度 前期 理系数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。