Evolton

一橋大学 2018年度 前期文系数学 第2問

1t1 とし,放物線y=x212上の点(t,t212)における接線を l とする。半円x2+y2=1,y0l で囲まれた部分の面積を S とする。S のとりうる値の範囲を求めよ。

難易度5/ 10計算量4/ 10目安15

積分図形と方程式三角関数 接線・法線面積計算三角比の利用、範囲評価

方針

接線 l と原点との距離 d を求める。単位円の弦が中心から距離 d にあるとき,半弦を見込む角を θ とすれば cosθ=d であり,円弧と弦で囲まれる面積を扇形と三角形の差で表せる。

解答

曲線の導関数はy=xである。したがって,指定された点における接線 lyt212=t(xt),すなわちtxyt2+12=0である。

原点から l までの距離を d とするとd=(t2+1)/2t2+1=t2+12.1t1 より12d22.円の中心から弦 l に下ろした垂線と,交点へ引いた半径とのなす角を θ とする。半径は 1 だからcosθ=d.よってπ4θπ3.対応する中心角は 2θ である。したがって面積は,扇形から二等辺三角形を引いてS=θ12sin2θ.F(θ)=θ12sin2θとおくとF(θ)=1cos2θ=2sin2θ>0である。よって F は上の範囲で単調増加する。

端点での値はF(π4)=π412,F(π3)=π334.したがってπ412Sπ334である。

別解

解法2

方針

円を回転して弦を鉛直にした模式図で考える。中心から弦までの距離 d が大きくなるほど円弧部分は包含関係により小さくなるので,微分せずに d の最小・最大だけを調べ,両端の面積を扇形と三角形から計算する。

解答

接線 ltxyt2+12=0であり,原点からの距離はd=t2+12.したがって12d22.d=1/2t=0 のとき,d=2/2t=±1 のときに実現する。また d は連続に変化する。

単位円を中心のまわりに回転し,弦をx=dと重ねても,弦と円弧で囲まれる面積は変わらない。この図では d が大きいほど弦が円周側へ移り,対応する円弧部分は小さい円弧部分に含まれる。したがって Sd の減少とともに増加する。

まずd=22のとき,弦の両端を結ぶ2本の半径がなす中心角は π/2 である。扇形の面積は π/4,2本の半径がつくる三角形の面積は 1/2 だからSmin=π412.次にd=12のとき,中心角は 2π/3 である。扇形の面積は π/3 であり,二等辺三角形の底辺は 3,高さは 1/2 だからSmax=π312312=π334.d は区間内を連続に動くので,面積も両端の間のすべての値をとる。よってπ412Sπ334.

総評

難度5,計算量4。想定時間は15分程度。接線と円の弦の距離を面積に結びつける標準問題である。得点差は,接線の符号を正しく整理すること,円弧で囲まれた部分を θ12sin2θ と表すこと,最後に Sθ とともに増加することを確認する点にある。

冊子PDFで見る一橋大学の積分の問題で問題集を作る

出典: 一橋大学 2018年度 前期 第2問 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。