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一橋大学 2019年度 前期文系数学 第3問

f(x)=x33x+2とする.また,α1より大きい実数とする.曲線Cy=f(x)上の点P(α,f(α))における接線とx軸の交点をQとする.点Qを通るCの接線の中で傾きが最小のものをlとする.

(1) lCの接点のx座標をαの式で表せ.

(2) α=2とする.lCで囲まれた部分の面積を求めよ.

難易度6/ 10計算量5/ 10目安20

微分積分関数 接線・法線、パラメータ処理、面積計算文字消去

方針

曲線上の x=t における接線が x 軸と交わる点の x 座標を g(t)=tf(t)/f(t) として表す。Qg(α) にあるので,g(t)=g(α) を解く。接線 y=0 も候補に含め,傾きが最小の接点を選ぶ。第(2)問は α=2 を代入して接線と曲線の差を因数分解し,定積分で面積を求める。

解答

(1) f(x)=3x23 である。x=t における接線が x 軸と交わる点の x 座標を g(t) とすると,t±1 ではg(t)=tf(t)f(t)=t(t1)2(t+2)3(t1)(t+1)=2(t2+t+1)3(t+1)である。したがって Qx 座標は g(α) である。

Q を通る接線の接点を x=t とすると,g(t)=g(α) を満たす。これはt2+t+1t+1=α2+α+1α+1であり,整理すると t=α または (t+1)(α+1)=1 である。よってもう一つの接点はt=αα+1である。また x=1 における接線は y=0 であり,これも Q を通る。

各接線の傾きは f(t)=3t23 である。α>1 だから f(α)>0x=1 の接線の傾きは 0 である。一方,1<α/(α+1)<0 より,この接点での傾きは負である。したがって傾きが最小の接線 l の接点の x 座標はαα+1である。

(2) α=2 のとき,(1)より l の接点は x=2/3 である。傾きは f(2/3)=5/3,また f(2/3)=100/27 であるから,l の方程式はy10027=53(x+23)すなわち y=(45x+70)/27 である。

曲線と直線の差をとるとf(x)45x+7027=x343x1627=(x+23)2(x43)である。よって囲まれた部分は 2/3x4/3 にあり,この区間では直線が曲線の上にある。したがって面積は2/34/3(x+23)2(43x)dxである。u=x+2/3 とおくと,これは02u2(2u)du=[2u33u44]02=43である。

別解

解法2(接線差の因数分解)

方針

接点 t における接線の x 切片を q(t) とし,q(t)q(α) を積の形にする。面積計算では三次関数と接線の差が (xt)2(x+2t) と必ず因数分解できることを利用する。

解答

(1)
x=t における接線を t とする。t±1 のとき,その x 切片はq(t)=tf(t)f(t)=23(t+1t+1).点Pにおける接線の x 切片がQなので,Qを通る別の接線の接点 tq(t)=q(α)を満たす。差をとるとq(t)q(α)=2(tα){(t+1)(α+1)1}3(t+1)(α+1).したがってt=αまたは(t+1)(α+1)=1.後者からt=αα+1.なお x=1 における接線 y=0 もQを通る。

傾きは f(t)=3t23 である。α>1 なので f(α)>0,水平接線の傾きは0である。一方,1<αα+1<0だからこの点での傾きは負である。よって最小傾斜の接線 l の接点はαα+1である。

(2)
一般に x=t における接線を t(x) と書くと,三次式 f(x)t(x)x=t を重解にもち,x2 の係数が0である。したがってf(x)t(x)=(xt)2(x+2t).α=2 のとき t=2/3 なのでf(x)l(x)=(x+23)2(x43).よってもう一つの交点の x 座標は 4/3 である。

囲まれた部分では直線が曲線の上にあるから,面積は2/34/3(x+23)2(43x)dx.u=x+2/3 とおけば02u2(2u)du=[2u33u44]02=43.したがって求める面積は 4/3 である。

総評

難度6,計算量5。想定時間は20分程度。接線の接点を一般の t とおいて,x 軸との交点を関数化するところが山場である。x=1 の水平接線も Q を通るため,候補として確認したうえで傾き最小を選ぶ必要がある。面積計算は重接点を利用して因数分解できれば短い。

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出典: 一橋大学 2019年度 前期 数学 第3問(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。