一橋大学 2020年度
文系数学 第3問
- 試験区分
- 前期
- 対象
- 前期日程対象学部
- 分野
- ベクトル、三角関数
- 解法
- 座標設定、内積の利用、三角比の利用、範囲評価
- 難易度
- 5 / 10 計算量 4 / 10 目安 —
問題
半径 1 の円周上に3点 A,B,C がある。内積
の最大値と最小値を求めよ。
出典:一橋大学 2020年度 前期 文系 第3問
方針
解法1(中心角を2変数で表す)
円の中心を原点とし、回転して A=(1,0) とおく。B,C の偏角の和と差を使って内積を整理し、二つの余弦の値域から最大・最小を求める。
解法2(弦の中点ベクトルを使う)
中心を原点とし、位置ベクトルを a,b,c とする。b,c の平均と半差を導入すると、求める内積は平均ベクトルの長さと a との内積だけで表せる。
解答
解法1(中心角を2変数で表す)
円の中心を原点 O とする。図形全体を回転しても内積は変わらないので
A=(1,0),B=(cosu,sinu),C=(cosv,sinv)
とおいてよい。このとき
AB⋅AC=(B−A)⋅(C−A)=cos(u−v)−cosu−cosv+1.
ここで
X=2u+v,Y=2u−v
とおく。和積公式により
cos(u−v)−cosu−cosv+1=1+cos2Y−2cosXcosY=2cos2Y−2cosXcosY.
s=cosY とすると −1≦s≦1 であり、固定した s に対して cosX は −1 から 1 まで動かせる。したがって、固定した s に対する最大値と最小値は
2s2+2∣s∣,2s2−2∣s∣
である。
q=∣s∣ とおけば 0≦q≦1 だから、最大値は
0≦q≦1max(2q2+2q)=4.
また
2q2−2q=2(q−21)2−21
より、最小値は
−21.
よって
最大値 4,最小値 −21
である。
解法2(弦の中点ベクトルを使う)
中心を原点 O とし、A,B,C の位置ベクトルをそれぞれ
a,b,c
とする。半径が1なので
∣a∣=∣b∣=∣c∣=1.
ここで
m=2b+c,d=2b−c
とおく。b=m+d、c=m−d だから
m⋅d=0,∣m∣2+∣d∣2=1.
したがって
AB⋅AC=(b−a)⋅(c−a)=b⋅c−a⋅(b+c)+∣a∣2=2∣m∣2−2a⋅m.
r=∣m∣ とおくと
0≦r≦1,−r≦a⋅m≦r.
よって、固定した r に対する最大値と最小値は
2r2+2r,2r2−2r
である。したがって
0≦r≦1max(2r2+2r)=4
であり、
2r2−2r=2(r−21)2−21
より最小値は −1/2 である。
最大値4は r=1 かつ a と m が逆向き、すなわち B=C が A の対蹠点にあるときに達する。最小値は r=1/2 かつ a と m が同じ向きのときに達する。
最小値を与える配置の一例
以上より
最大値 4,最小値 −21.