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一橋大学 2020年度 前期文系数学 第3問

半径 1 の円周上に3点 A,B,C がある。内積ABACの最大値と最小値を求めよ。

難易度5/ 10計算量4/ 10目安15

ベクトル三角関数 座標設定内積の利用三角比の利用、範囲評価

方針

円の中心を原点とし、回転して A=(1,0) とおく。B,C の偏角の和と差を使って内積を整理し、二つの余弦の値域から最大・最小を求める。

解答

円の中心を原点 O とする。図形全体を回転しても内積は変わらないのでA=(1,0),B=(cosu,sinu),C=(cosv,sinv)とおいてよい。このときABAC=(BA)(CA)=cos(uv)cosucosv+1.ここでX=u+v2,Y=uv2とおく。和積公式によりcos(uv)cosucosv+1=1+cos2Y2cosXcosY=2cos2Y2cosXcosY.s=cosY とすると 1s1 であり、固定した s に対して cosX1 から 1 まで動かせる。したがって、固定した s に対する最大値と最小値は2s2+2s,2s22sである。

q=s とおけば 0q1 だから、最大値はmax0q1(2q2+2q)=4.また2q22q=2(q12)212より、最小値は12.よって最大値 4,最小値 12である。

別解

解法2(弦の中点ベクトルを使う)

方針

中心を原点とし、位置ベクトルを a,b,c とする。b,c の平均と半差を導入すると、求める内積は平均ベクトルの長さと a との内積だけで表せる。

解答

中心を原点 O とし、A,B,C の位置ベクトルをそれぞれa,b,cとする。半径が1なのでa=b=c=1.ここでm=b+c2,d=bc2とおく。b=m+dc=md だからmd=0,m2+d2=1.したがってABAC=(ba)(ca)=bca(b+c)+a2=2m22am.r=m とおくと0r1,ramr.よって、固定した r に対する最大値と最小値は2r2+2r,2r22rである。したがってmax0r1(2r2+2r)=4であり、2r22r=2(r12)212より最小値は 1/2 である。

最大値4は r=1 かつ am が逆向き、すなわち B=CA の対蹠点にあるときに達する。最小値は r=1/2 かつ am が同じ向きのときに達する。

最小値を与える配置の一例

以上より最大値 4,最小値 12.

総評

難度5、目安時間15分。三角関数で処理する方法に加え、弦 BC の中点ベクトルを使うと、2点 B,C の自由度が 0r1 の1変数に集約される。最大値では B=C を許していること、最小値では図示した配置が実現できることまで確認すると、値域評価の十分性が明確になる。

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出典: 一橋大学 2020年度 前期日程 数学 第3問(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。