方針
折れ曲がり点 t=x が積分区間 [2−x,2+x] に含まれるかを調べる。0<x<1 と x≧1 に分けて積分し、後者は微分によって最小値を求める。
解答
折れ曲がり点 t=x が積分区間に入る条件は2−x≦x≦2+x.右側の不等式は常に成り立つので、条件は x≧1 である。
まず 0<x<1 のとき、区間全体で t−x>0 だから∫2−x2+x∣t−x∣dt=∫2−x2+x(t−x)dt=2x(2−x).したがってF(x)=4−2x(0<x<1).この範囲ではF(x)>2.次に x≧1 のとき、t=x で積分を分けると∫2−x2+x∣t−x∣dt=∫2−xx(x−t)dt+∫x2+x(t−x)dt=2(2x−2)2+222=2x2−4x+4.よってF(x)=2x−4+x4(x≧1).微分するとF′(x)=2−x24.したがって 1≦x<2 で減少し、x>2 で増加するのでF(2)=22−4+24=42−4.最後に42−4<2であるから、0<x<1 の範囲の値よりも小さい。ゆえに求める最小値は42−4.
別解
解法2(三角形の面積と相加相乗平均を使う)
方針
絶対値の積分を、グラフ y=∣t−x∣ と t 軸で囲まれる三角形の面積として求める。x≧1 では得られた式に相加相乗平均を適用し、微分せずに最小値を決める。
解答
0<x<1 のときは積分区間がすべて t>x 側にあるのでF(x)=4−2x>2.x≧1 のとき、グラフ y=∣t−x∣ は t=x で t 軸と交わる。積分値は、底辺の長さがそれぞれ 2x−2、2 である二つの直角三角形の面積の和だから∫2−x2+x∣t−x∣dt=2(2x−2)2+222.したがってF(x)=2x−4+x4.ここで x>0 より、相加相乗平均の関係から2x+x4≧22x⋅x4=42.等号は2x=x4⟺x=2のときに成り立つ。この値は x≧1 を満たすのでF(x)≧42−4.さらに42−4<2だから、0<x<1 の場合も合わせた全体の最小値は42−4である。
総評
難度5、目安時間12分。積分区間の中に折れ曲がり点 t=x が入る境界は x=1 である。積分を別行立てして左右の三角形を明示すると、式の由来が見やすい。微分解法では増減、相加相乗平均では等号条件を必ず確認し、最後に 0<x<1 側の下限2と比較する。
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出典: 一橋大学 2020年度 前期日程 数学 第4問(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。