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一橋大学 2022年度 前期文系数学 第4問

t を実数とし,座標空間に点 A(t1,t,t+1) をとる。また,(0,0,0)(1,0,0)(0,1,0)(1,1,0)(0,0,1)(1,0,1)(0,1,1)(1,1,1) を頂点とする立方体を D とする。点 PD の内部およびすべての面上を動くとき,線分 AP の動く範囲を W とし,W の体積を f(t) とする。

(1) f(1) を求めよ。

(2) f(t) のグラフを描き,f(t) の最小値を求めよ。

難易度7/ 10計算量5/ 10目安25

図形と方程式ベクトル関数 図形的解釈座標設定、場合分け、体積計算

方針

立方体 D は凸なので,線分 AP の通過領域は D と点 A の凸包である。点 A から見える各面を底面とする四角錐を D に付け加える。座標 u が区間 [0,1] の外へ出た距離を δ(u) とすれば,体積は 1+{δ(t1)+δ(t)+δ(t+1)}/3 となる。4つの境目で場合分けし,グラフまで描く。

解答

立方体 D0x1,0y1,0z1で表される凸集合である。したがって,PD 全体を動くときの線分 AP の通過領域 W は,D と点 A の凸包である。

A が立方体の外にあるとき,WD は,A から見える面を底面とする四角錐に分割できる。各面の面積は1で,四角錐の高さは A からその面までの距離である。

区間 [0,1] の外へ出ている距離をδ(u)={u(u<0),0(0u1),u1(u>1)とおく。点 A の座標は (t1,t,t+1) なのでf(t)=1+13{δ(t1)+δ(t)+δ(t+1)}.(1)(1)

t=1 のとき A=(2,1,0) であり,x=0 の面までの距離が2,y=0 の面までの距離が1である。よってf(1)=1+13(2+1)=2.(2)

境目は t=1,0,1,2 である。1 から順に計算するとf(t)={1t(t<1),42t3(1t<0),43(0t1),2t+23(1<t<2),t(2t)(2)である。各境目で左右の値は一致する。

2 のグラフは次の折れ線である。

したがって 0t1 のとき最小となり,最小値は43である。

別解

解法2(区間までの距離を絶対値で表す)

方針

区間 [0,1] から外へ出た距離は δ(u)={u+u11}/2 と表せる。これを3座標 t1,t,t+1 に適用すると,f(t) が4つの折点をもつ絶対値関数として一式で得られる。各区間の傾きからグラフを決定し,中央区間が水平になることから最小値を読む。

解答

区間 [0,1] の外へ出た距離はδ(u)=u+u112(1)と一式で表せる。実際,u<00u1u>1 の各場合に 1 はそれぞれ u,0,u1 となる。

見える各面を底面とする四角錐を加える体積公式と 1 からf(t)=1+13{δ(t1)+δ(t)+δ(t+1)}=12+16(t+1+2t+2t1+t2).(2)(1)

2t=1 を代入すればf(1)=12+16(0+2+4+3)=2.(2)

2 の折点は t=1,0,1,2 であり,左から各区間における傾きは1,23,0,23,1となる。さらにf(0)=f(1)=43,f(1)=f(2)=2.したがってグラフは,(1,2)(0,4/3)(1,4/3)(2,2) を順に結び,両端を傾き 1,1 の半直線で延ばした折れ線である。中央の 0t1 は水平で,最小値は43であり,0t1 のすべてで達する。

総評

公式問題・公式出題意図・参照解答を照合済み。公式意図どおり,まず W を「立方体と点 A の凸包」と捉え,見える面を底面とする四角錐へ分解することが核心である。各座標が [0,1] から外へ出た距離の和を使えば,図形的根拠と体積計算を分離できる。絶対値による一式はグラフの折点と傾きを漏れなく確認する別解になる。想定時間は25分程度。

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出典: 一橋大学 2022年度 一般選抜(前期日程)数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。