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一橋大学 2023年度 前期文系数学 第5問

A,B,C3人が,A,B,C,A,B,C,A,という順番にさいころを投げ,最初に1を出した人を勝ちとする.だれかが1を出すか,全員がn回ずつ投げたら,ゲームを終了する.A,B,Cが勝つ確率PA,PB,PCをそれぞれ求めよ.

難易度4/ 10計算量3/ 10目安10

確率数列 独立性の利用、余事象、和の計算、計算整理

方針

1巡を A,B,C の3回の試行と見る。第 j+1 巡でそれぞれが勝つには,それ以前の 3j 回で1が出ず,その巡で該当者の前までにも1が出ず,該当者が1を出せばよい。公比 (5/6)3 の等比数列の和として処理する。

解答

1回のさいころ投げで 1 が出ない確率は 5/6 である。第 j+1 巡,すなわち各人がすでに j 回ずつ投げた後の巡を考える。ただし j=0,1,,n1 である。

Aがこの巡で勝つ確率は,それ以前の 3j 回で 1 が出ず,次にAが 1 を出す確率だから(56)3j16である。したがってPA=j=0n1(56)3j16=161(125216)n1125216=3691{1(125216)n}.同様に,Bが第 j+1 巡で勝つには,その巡のAも 1 を出さず,Bが 1 を出せばよい。よってPB=j=0n1(56)3j+116=3091{1(125216)n}.Cについても同様にPC=j=0n1(56)3j+216=2591{1(125216)n}である。

別解

解法2(1巡後の再帰式で求める方法)

方針

最初の1巡だけを見る。A、B、Cがその巡で勝つ確率と、3人とも失敗して同じゲームが残り n1 巡続く確率を使い、各勝率の再帰式を立てる。

解答

1巡で A、B、C が勝つ確率はそれぞれα=16,β=5616=536,γ=(56)216=25216である。3人とも1を出さず次の巡へ進む確率をr=(56)3=125216とおく。

残り n 巡のゲームでの勝率を PA(n),PB(n),PC(n) と書けばPA(n)=α+rPA(n1),PB(n)=β+rPB(n1),PC(n)=γ+rPC(n1)であり、PA(0)=PB(0)=PC(0)=0 である。よって等比数列の和からPA(n)=α(1rn)1r,PB(n)=β(1rn)1r,PC(n)=γ(1rn)1r.1r=91/216 を代入してPA=3691{1(125216)n},PB=3091{1(125216)n},PC=2591{1(125216)n}.3式の和は 1rn となり、n巡すべてで誰も1を出さない場合を除いた確率と一致する。

総評

3人が順番に試行する有限打切りの確率問題。目安時間は10〜15分。標準解法は勝つ巡を直接足し、別解は1巡後に同型のゲームが残る再帰式を使った。1巡内の勝率が 36:30:25、継続確率が 125/216 であることを分けて考えると見通しがよい。3人の勝率の和が 1(125/216)n になることが強い検算になる。

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出典: 一橋大学 令和5年度一般選抜(前期日程)数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。