方針
線分の交点は、下側の点の順序と上側の点の順序が逆になった2本から生じる。(1)では、もし3本が内部で同時に交わるなら、3本はそれぞれ異なる と異なる を結ぶはずなので、高さ における 座標を比較する。無理数 が有理式で表されてしまう矛盾を出す。三重点がないので、交点数は交わる線分2本の組数として数えられる。
解答
(1)
線分の内部の交点を考える。2本の線分が同じ を共有すれば、それらの共通点は だけであり、これは交点に数えない。同じ を共有する場合も同様である。したがって、内部で3本が同時に交わるとすれば、それらは から出て、互いに異なる に向かう3本である。
高さ 、 における線分 の 座標を考える。 と書けば、その 座標は である。ここで である。
もし 、、 が同じ点で交わるなら である。まず から となるので、 は有理数である。次に から を得る。右辺は有理数であるから が有理数になってしまう。これは が無理数であるという仮定に反する。したがって3本が同時に交わることはない。
(2)
内部で交わる2本の線分は、下側の点の順序と上側の点の順序が逆になっているとき、かつそのときに限られる。下側の点の組は 通りであり、上側の点の組は から2点を選ぶので 通りである。下側の2点と上側の2点を決めると、交わる線分の組はちょうど1組決まる。
(1) より三重点がないので、異なる線分の組が同じ交点を作ることもない。したがって である。よって に対して である。
(3)
(2) で得た式からただちに である。
別解
解法2
方針
(1) の三重点排除を踏まえ、新しい上端点 を加えたときだけ生じる交点を数える。各既存点と下端2点の選択が新しい交点へ一対一に対応し、階差 から一般項を得る。
解答
(1)
高さ における線分 の 座標はである。3本が同一点で交わるなら、それらは異なる と異なる を結ぶので右側2本のうち を含まない等式から は有理数となり、次にも有理数となる。仮定に反するので三重点はない。
(2)
を加える。新しい交点は、 と結ぶ線分、新しい点以外の と結ぶ線分、異なる2個の下端点を選ぶことで一意に定まる。選び方は通りである。三重点がないので重複せず、(3)
では 。したがって階差を足して
総評
交点を線分の組として数える組合せ幾何の問題で、想定時間は35分程度。 が無理数である条件は、3本同時交点を排除するために使われる。ここを省くと、線分2本の組を数えたときに同じ交点を重複して数える危険が残る。数え上げでは、下側2点と上側2点を選べば交わる組がちょうど1つ決まる、という対応を明示すると漏れがない。