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北海道大学 1997年度 後期日程 第2次学力試験理系(後期)数学 第2問

座標平面において,x軸上に3個の点P0(0,0)P1(c,0)P2(2,0)をとり,
直線y=1上に(n+1)個の点Q0(0,1)Q1(1,1)Q2(2,1)
Qn(n,1)をとる(n1).ただし,c0<c<2なる無理数とする.
Piと点Qjを結ぶ線分をPiQj (i=0,1,2;j=0,1,,n)とし,
これら3(n+1)本の線分から生じる交点の総数をanとする.
ただし,Pi(i=0,1,2)Qj(j=0,1,,n)は交点とはみなさない.

(1) どの交点においても,これらの線分の中の3本が同時に交わることはない.
このことを証明せよ.

(2) anan1 (n2)を求めよ.

(3) an (n1)を求めよ.

難易度7/ 10計算量5/ 10目安35

場合の数図形と方程式 数え上げ、一意性証明、計算整理

方針

線分の交点は、下側の点の順序と上側の点の順序が逆になった2本から生じる。(1)では、もし3本が内部で同時に交わるなら、3本はそれぞれ異なる P0,P1,P2 と異なる Qi,Qj,Qk を結ぶはずなので、高さ s における x 座標を比較する。無理数 c が有理式で表されてしまう矛盾を出す。三重点がないので、交点数は交わる線分2本の組数として数えられる。

解答

(1)

線分の内部の交点を考える。2本の線分が同じ Pi を共有すれば、それらの共通点は Pi だけであり、これは交点に数えない。同じ Qj を共有する場合も同様である。したがって、内部で3本が同時に交わるとすれば、それらは P0,P1,P2 から出て、互いに異なる Qi,Qj,Qk に向かう3本である。

高さ y=s0<s<1 における線分 PmQjx 座標を考える。Pm=(pm,0) と書けば、その x 座標は (1s)pm+sj である。ここで p0=0,p1=c,p2=2 である。

もし P0QiP1QjP2Qk が同じ点で交わるなら si=(1s)c+sj=2(1s)+sk である。まず si=2(1s)+sk から s(ik+2)=2 となるので、s は有理数である。次に si=(1s)c+sj から c=s(ij)1s を得る。右辺は有理数であるから c が有理数になってしまう。これは c が無理数であるという仮定に反する。したがって3本が同時に交わることはない。

(2)

内部で交わる2本の線分は、下側の点の順序と上側の点の順序が逆になっているとき、かつそのときに限られる。下側の点の組は 3C2=3 通りであり、上側の点の組は Q0,Q1,,Qn から2点を選ぶので n+1C2 通りである。下側の2点と上側の2点を決めると、交わる線分の組はちょうど1組決まる。

(1) より三重点がないので、異なる線分の組が同じ交点を作ることもない。したがって an=3n+1C2 である。よって n2 に対して anan1=3n+1C23nC2=3n である。

(3)

(2) で得た式からただちに an=3n+1C2=3n(n+1)2 である。

別解

解法2

方針

(1) の三重点排除を踏まえ、新しい上端点 Qn を加えたときだけ生じる交点を数える。各既存点と下端2点の選択が新しい交点へ一対一に対応し、階差 3n から一般項を得る。

解答

(1)

高さ 0<s<1 における線分 PmQjx 座標は(1s)pm+sjである。3本が同一点で交わるなら、それらは異なる P0,P1,P2 と異なる Qi,Qj,Qk を結ぶのでsi=(1s)c+sj=2(1s)+sk.右側2本のうち c を含まない等式から s は有理数となり、次にc=s(ij)1sも有理数となる。仮定に反するので三重点はない。

(2)

Qn を加える。新しい交点は、Qn と結ぶ線分、新しい点以外の Qj と結ぶ線分、異なる2個の下端点を選ぶことで一意に定まる。選び方はn3C2=3n通りである。三重点がないので重複せず、anan1=3n.(3)

n=1 では a1=3。したがって階差を足してan=3+m=2n3m=3n(n+1)2.

総評

交点を線分の組として数える組合せ幾何の問題で、想定時間は35分程度。c が無理数である条件は、3本同時交点を排除するために使われる。ここを省くと、線分2本の組を数えたときに同じ交点を重複して数える危険が残る。数え上げでは、下側2点と上側2点を選べば交わる組がちょうど1つ決まる、という対応を明示すると漏れがない。

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出典: 北海道大学 1997年度 後期 理系 第2問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。