方針
定義域は −a<x<a であり、関数 f は奇関数である。したがって x=0 は常に解で、正の解の個数を調べればよい。導関数 f′(x)=−1+2a/(a2−x2) の符号を a≦2 と a>2 に分け、正の側で単調増加か、いったん減少してから増加かを調べる。x→a−0 で f(x)→∞ になることも使う。
解答
まず定義域は −a<x<a である。f について f(−x)=x+log(a−x)−log(a+x)=−f(x) であるから、f は奇関数である。また f(0)=0 なので、x=0 は常に解である。
導関数を求めると f′(x)=−1+a+x1+a−x1=−1+a2−x22a である。
まず 0<a≦2 の場合を考える。0<x<a では a2−x2<a2 だから a2−x22a>a22a=a2≧1 である。したがって f′(x)>0 が 0<x<a で成り立つ。よって f は正の側で増加し、f(0)=0 だから正の解はない。奇関数性から負の解もない。したがって解は x=0 の1個である。
次に a>2 の場合を考える。このとき f′(0)=−1+a2<0 である。f′(x)=0 は a2−x22a=1 すなわち x2=a2−2a である。正の側では x0=a2−2a がただ1つの臨界点である。0<x<x0 では f′(x)<0、x0<x<a では f′(x)>0 となるので、f は正の側でいったん減少し、その後増加する。
また x→a−0limf(x)=∞ である。x=0 の直後では f は減少するので負になり、その後増加して ∞ に向かう。したがって正の解はちょうど1個である。奇関数性により負の解も1個ある。よって解の個数は 3 である。
以上より、異なる実数解の個数は{13(0<a≦2),(a>2)である。
別解
解法2
方針
正の解について方程式を指数化し、パラメータ a を h(x)=xcoth(x/2) の値域として捉える。h が 2 から無限大へ単調増加することを示し、奇関数性で負の解も数える。
解答
f は奇関数で、x=0 は常に解である。正の解だけを調べる。
x>0 で f(x)=0 を指数化するとa−xa+x=ex.整理してa=h(x):=xex−1ex+1=xcoth2x.x→0+ で h(x)→2、x→∞ で h(x)→∞ である。またh′(x)=(ex−1)2e2x−1−2xex=(ex−1)22ex(sinhx−x)>0である。最後の不等式は x>0 で sinhx>x から従う。
したがって h の値域は (2,∞)。ゆえに 0<a≦2 では正の解はなく、解は 0 の1個だけである。a>2 では正の解がただ1個あり、奇関数性により負の解もただ1個ある。結論は{1個3個(0<a≦2),(a>2).
総評
対数関数の方程式を増減で調べる問題で、想定時間は28分程度。奇関数性に気づくと、正の側だけを調べればよくなる。a=2 は境界で、f′(0)=0 ではあるが 0<x<a では増加するため、正の解は増えない。a>2 では、原点直後で負になり、x→a−0 で正の無限大に向かうことを合わせて、正の解が1個だけであると結論づける。
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出典: 北海道大学 1997年度 後期 理系 第3問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。