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熊本大学 2020年度 前期数学② 第1問

次の問いに答えよ。

(1) 自然数 x に対し、x2 を5で割った余りは 0,1,4 のいずれかであることを示せ。

(2) 自然数 x,y,zx2+5y2=2z2を満たすならば、x,y,z はすべて5の倍数であることを示せ。

(3) x2+5y2=2z2 を満たす自然数 x,y,z の組は存在しないことを示せ。

難易度6/ 10計算量4/ 10目安20

整数論証・証明 合同式、剰余分類、無限降下法、背理法

方針

平方数の5を法とする剰余を列挙する。(2) では方程式を5で見てまず x,z、次に y が5の倍数であることを示す。(3) では同じ形のより小さい自然数解が得られることを矛盾にする。

解答

(1)

任意の整数 x は5を法として 0,±1,±2 のいずれかに合同である。したがってx20,1,4(mod5)のいずれかである。

(2)

与式を5を法として見るとx22z2(mod5).平方剰余 0,1,4 を2倍した余りは 0,2,3 であり、両者の共通部分は0だけである。よってx2z20(mod5),5x,5z.x=5x1, z=5z1 と書いて元の式へ代入し、5で割ると5x12+y2=10z12.したがって y20(mod5) であり、5y である。ゆえに x,y,z はすべて5の倍数である。

(3)

自然数解が存在すると仮定する。(2) よりx=5x1,y=5y1,z=5z1と書ける。元の式へ代入して25で割ればx12+5y12=2z12となる。つまり (x1,y1,z1) も自然数解であり、各成分は元の解の5分の1である。同じ操作を繰り返すと、正の自然数を何度でも5で割れることになり不可能である。したがって自然数解は存在しない.

別解

解法2(最小解を仮定して矛盾を導く)

方針

(1) の平方剰余表を使って(2)を証明した後、(3)では x+y+z が最小の解を取る。全成分を5で割った組がさらに小さい解になるため、最小性に反する。

解答

(1)

剰余を直接表にするとxmod501234x2mod501441だから、平方の余りは 0,1,4 に限られる。

(2)

x22z2(mod5) に対し、z21,4 なら右辺はそれぞれ2,3となり、平方剰余にはならない。よって z20(mod5) で、同時に x20(mod5) である。したがって 5x,z

x=5x1,z=5z1 とすればy2=5(10z125x12)となるので 5y2、したがって 5y である。

(3)

自然数解のうち x+y+z が最小のものを1組取る。(2) により(x,y,z)=5(x1,y1,z1)と書ける。両辺を25で割ると (x1,y1,z1) も同じ方程式の自然数解である。しかしx1+y1+z1=x+y+z5<x+y+zとなり、選び方の最小性に反する。よって自然数解は存在しない。

総評

難度6、目安時間20分。平方剰余の集合 {0,1,4} と、その2倍 {0,2,3} の共通部分が {0} であることが核心である。x,z が5の倍数と分かった後に式を一度整理し、y も5の倍数と示してから降下する。『すべて5の倍数』だけでは矛盾ではなく、同型のより小さい解が得られるところまで書く。

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出典: 熊本大学 2020年度 前期 数学②(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。