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熊本大学 2021年度 前期数学① 第4問

aa>1である実数とする.xについての連立不等式
{x3+2ax2a2x2a3<03x2x<4a12ax
の解について考える.連立不等式の解のうち整数であるものの個数をm(a)とする.
(問1) 連立不等式を解け.
(問2) a>2のとき,m(a)の最小値を求めよ.
(問3) m(a)=4となるaの値の範囲を求めよ.

難易度6/ 10計算量6/ 10目安22

方程式・不等式整数 展開・因数分解、場合分け、範囲評価

方針

二つの不等式を因数分解し,a>1 での根の順序を使って解区間を出す。整数個数は二つの開区間に含まれる整数を境界に注意して数える。

解答

(問1)x3+2ax2a2x2a3=(x+2a)(xa)(x+a)より第1不等式は x<2a または a<x<a。また3x2+(12a1)x4a=(3x1)(x+4a)より第2不等式は 4a<x<13。したがって4a<x<2a,a<x<13.(問2)
a>2 のとき,後者の区間には 2,1,0 の3個,前者の区間には少なくとも 8,7,6,5 の4個が入るので m(a)72<a94 ではちょうどこれら7個であるから最小値は7.(問3)
1<a2 では (a,13) に含まれる整数は 1,0 の2個である。(4a,2a) の整数個数は,正の整数 q=x2a<q<4aを満たす個数である。これが2個になるのは1<a54a=32である。a>2 では後者の区間だけで3個以上になるので不可。

別解

解法2(整数が出入りする境界を表にする)

方針

連立不等式を2つの開区間に直した後、左側の整数を q=x で正の整数に置き換える。(問3)では各整数 q が条件 2a<q<4a を満たす a の範囲を表にし、端点を含むかどうかまで直接数える。

解答

(問1)
2つの左辺を因数分解すると(x+2a)(xa)(x+a)<0および(3x1)(x+4a)<0である。a>1 で根の順序を調べると、それぞれx<2aまたはa<x<aおよび4a<x<13となる。共通部分は4a<x<2a,a<x<13である。

(問2)
a>2 なら、区間 (a,1/3) には少なくとも 2,1,0 の3整数が入る。また (4a,2a) の長さは 2a>4 なので少なくとも4整数が入る。よって m(a)7 である。実際、a=9/4 のとき(4a,2a)=(9,9/2),(a,1/3)=(9/4,1/3)であり、入る整数は8,7,6,5,2,1,0の7個である。したがって最小値は7である。

(問3)
a>2 では(問2)より m(a)7 なので、1<a2 だけを調べればよい。この範囲では (a,1/3) に入る整数は 1,0 の2個である。

左側の区間で q=x と置くと、正の整数 q に対する条件は2a<q<4aである。1<a2 で候補となる q を表にするとq2a<q<4a を満たす a の範囲3(1,3/2)4(1,2)5(5/4,2]6(3/2,2]7(7/4,2]である。これを数えると、左側の整数が2個になるのは1<a54またはa=32だけである。右側の2個と合わせて m(a)=4 となる範囲は1<a54,a=32である。

総評

難度6,計算量6。想定時間は22分程度。因数分解後は2つの開区間に分かれ、整数が端点に一致した瞬間は数えない。(問3)では連続な区間だけでなく孤立値 a=3/2 が生じるため、床関数を急いで使うより、整数ごとの出入り境界を表にする方が安全である。

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出典: 熊本大学 2021年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。