方針
OA と OB は直交する2本の座標軸上の零でないベクトルなので、これらを基底にして OC=sOA+tOB と表す。一次変換の線形性を f(OC)=OA に代入して係数比較を行い、まず OC=−OA−OB を確定する。(2) では OP=xOA+yOB と置き、OA⊥OB かつ長さが等しいことを内積計算に反映させる。
解答
(1) OA と OB は、それぞれ x 軸、y 軸上の零でないベクトルである。したがって互いに平行でなく、平面上の任意のベクトルはこの2つの一次結合で一通りに表せる。
そこで OC=sOA+tOB とおく。
一次変換の線形性よりf(OC)=sf(OA)+tf(OB)=sOB+tOCである。これが OA に等しいから、上の表示を代入してsOB+t(sOA+tOB)=OAとなる。すなわち tsOA+(s+t2)OB=OA である。 OA, OB の表示は一意なので、係数を比較して ts=1,s+t2=0 を得る。第2式から s=−t2 であり、これを第1式に代入すると −t3=1 である。t は実数だから t=−1、よって s=−1 である。
したがって OC=−OA−OB となり、OA+OB+OC=0 が示された。
(2)
平面上の点 P に対して OP=xOA+yOB とおく。(1) の結果を用いるとf(OP)=xOB+yOC=xOB+y(−OA−OB)=−yOA+(x−y)OBである。
いま OA と OB は直交し、さらに ∣OA∣=∣OB∣ である。したがって交差項は消え、OP⋅f(OP)=(xOA+yOB)⋅{−yOA+(x−y)OB}=−xy∣OA∣2+y(x−y)∣OB∣2=−y2∣OA∣2となる。 OP と f(OP) が直交するなら、この内積は 0 である。A は原点と異なるので ∣OA∣=0 であり、上式から y=0 が従う。
よって OP=xOA である。OA は x 軸上のベクトルだから、点 P は x 軸上にある。
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別解
解法2(座標成分で一次変換を追う)
方針
OA=(a,0),OB=(0,b) と置き、
OC をこの2ベクトルの係数で表す。変換を3回適用する条件から係数を決め、内積条件を成分で調べる。
解答
(1) OC=sOA+tOB と置く。f(OC)=OA と線形性よりsOB+tOC=OA.OC を代入して係数を比較するとts=1,s+t2=0.よって t=−1,s=−1 でありOA+OB+OC=0.(2) 共通の長さを r とし、OA=(r,0),OB=(0,εr) と置く。ただし ε=±1 である。OP=xOA+yOB なら (1) よりf(OP)=−yOA+(x−y)OB.したがってOP⋅f(OP)=−y2r2.直交条件から y=0 となるので P は x 軸上にある。
総評
一次変換を基底表示で追い、係数比較に落とす問題。目安時間は20分。最初に OA, OB が基底になることを明記すると、OC の係数比較が正当化される。(2) は C=−A−B が出た後、内積が −y2∣OA∣2 まで簡約される構造を見抜くと短い。座標成分で追う別解も可能だが、抽象ベクトルのまま進める方が計算量は少ない。
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冊子PDFで見る京大の一次変換の問題で問題集を作る
出典: 京都大学 1981年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。