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九州大学 1990年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第1問(理系 第2問)

数列{an}a1=1an+1=an×(1110n) (n1)で定める.

(1) a2a3を計算し,答を小数で書け.

(2) n2のときan0.9かつanan+1910n+1が成り立つことを示せ.

(3) すべてのnに対してan>0.89が成り立つことを示せ.

難易度4/ 10計算量4/ 10目安18

数列方程式・不等式 漸化式の変形不等式評価和の計算

方針

漸化式を積の形だけで見るのではなく、まず各因子が 01 の間にあることから正値性と単調減少を確認する。差は anan+1=an/10n と直接出るので、n2 では ana2=0.9 を使って上から押さえる。(3) は a2 からどれだけ減るかを差の和で評価し、有限和が無限等比和より小さいことを使って厳密な下限 0.89 を出す。

解答

(1)
定義より a2=a1(1110)=1910=0.9 である。また a3=a2(11102)=0.90.99=0.891 である。

(2)
n1 について 0<1110n<1 である。したがって a1>0 からすべての an は正であり、しかも数列 an は単調に減少する。特に n2 なら ana2=0.9 である。

また漸化式から anan+1=anan(1110n)=an10n である。n2 では an0.9 だから anan+10.910n=910n+1 である。

(3) n=1 では a1=1>0.89n=2 では a2=0.9>0.89 である。 n3 とする。(2) の差の評価を足し合わせるとa2an=(a2a3)+(a3a4)++(an1an)k=2n1910k+1である。右辺は有限和なのでk=2n1910k+1<k=2910k+1=910311110=1100である。したがって an>a21100=0.90.01=0.89 となる。以上より、すべての n に対して an>0.89 が成り立つ。

別解

解法2:積の下界を直接評価する

方針

一般項を有限個の因子の積で表す。最初の因子 0.9 を分け、残りには
(1x2)(1xm)1(x2++xm) を使うと
0.89 の下界が直接出る。
差の評価も有限積から確認する。

解答

(1) a2=1(1110)=0.9,a3=0.9(11100)=0.891.(2)
n2 ではan=0.9(11102)(11103)(1110n1)0.9.またanan+1=an10n910n+1.(3)
0xk1 に対する(1x2)(1x3)(1xm)1(x2+x3++xm)は展開または帰納法で分かる。したがって n2 ならan0.9(1k=2n1110k)>0.9(1k=2110k)=0.9(1190)=0.89.a1=1 も同じ不等式を満たす。

総評

難度4、計算量4。漸化式の積の形から単調性と差の形を読み取り、最後は減少量の総和を等比級数で押さえる問題である。想定時間は18分程度。(2) の an0.9n2 でしか使えない点、(3) では有限和が無限和より小さいため厳密に > になる点が採点上の注意点である。小数値だけで押し切らず、差の評価を式として残すと答案が安定する。 2解法の結論を相互照合し、定義域、符号、端点、等号成立条件を確認した。 問題に即した高校数学の範囲だけで構成した。

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出典: 九州大学 1990年度 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。