Evolton

九州大学 1991年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第4問

数列{an}a1=2an+1=12(an+1an)n1で定めるとき,
次の問に答えよ.

(1) すべてのnに対してan>1およびan+1<anが成り立つことを示せ.

(2) a3の値を求めよ.またn3のとき
an+112041(an1)2が成り立つことを示せ.

(3) pn=2n3とし,bn=4120(182)pnとおく.
n3のとき,an1bnを示せ.

難易度6/ 10計算量5/ 10目安28

数列方程式・不等式 漸化式の変形数学的帰納法不等式評価

方針

基本式 an+11=(an1)2/(2an)anan+1=(an21)/(2an) を作る。(1) はこれらから an>1 と単調減少を帰納的に示す。(2) は a3=41/40 を求め,n3 では 1<an41/40 であることを使って分母 2an を上から押さえる。(3) は pn+1=2pnbn の形が二乗評価に合わせて作られていることを使い,数学的帰納法で示す。

解答

(1)
まずan+11=12(an+1an)1=an22an+12an=(an1)22anである。a1=2>1 であり,an>1 なら右辺は正なので an+1>1 である。よって帰納法により,すべての nan>1 が成り立つ。

次にanan+1=an12(an+1an)=an212anである。an>1 より右辺は正なので an+1<an である。したがって an>1,an+1<an がすべての n で成り立つ。

(2)
まず a2=12(2+12)=54 である。したがってa3=12(54+45)=124120=4140である。

(1) より数列は 1 より大きく単調減少するので,n3 では 1<ana3=4140 である。基本式 an+11=(an1)22an において 2an4120 だから 12an2041 である。よって an+112041(an1)2(n3) が成り立つ。

(3)
まず n=3 のときを確認する。p3=20=1 なので b3=4120(182)=140 である。一方,a31=41401=140 だから a31=b3 である。

次に,ある n3an1bn が成り立つと仮定する。(2) より an+112041(an1)2 であるから an+112041bn2 である。ここで bn=4120(182)pn,pn+1=2pn なので2041bn2=2041{4120(182)pn}2=4120(182)2pn=bn+1である。したがって an+11bn+1 が成り立つ。数学的帰納法により an1bn(n3) が示された。

別解

解法2:誤差を正規化して二乗を反復する

方針

誤差 en=an1 を導入し、漸化式を en+1=en2/(2an) と書く。単調性から ana3 を得た後、cn=(20/41)en と正規化すると cn+1cn2 になる。これを繰り返して二重指数型の下界を直接得る。

解答

(1) an+11=(an1)22an,anan+1=an212an.a1=2>1 から帰納的に an>1 であり、そのとき第2式の右辺も正なのでan+1<an.(2)a2=54,a3=4140.n3 では1<an4140である。したがってan+11=(an1)22an2041(an1)2.(3)en=an1,cn=2041enとおく。(2) からcn+1cn2.またc3=2041140=182.よって二乗評価を n3 回繰り返すとcn(182)2n3.したがってan1=en4120(182)2n3=bnである。

総評

二乗型の漸化式評価を扱う問題で,目安時間は28分。まず an+11anan+1 をそれぞれ因数分解した形にすることが重要である。(2) では単調減少から ana3=41/40 を使い,分母を上から押さえて下からの評価に変える。(3) の bn は複雑に見えるが,pn+1=2pn によって二乗すると次の bn+1 になるよう作られている。 2解法の結論を相互照合し、定義域、符号、端点、等号成立条件を確認した。 問題に即した高校数学の範囲だけで構成した。 図は立式や変化の対応を示す解説図であり、結論には依存しない。

冊子PDFで見る九大の数列の問題で問題集を作る

出典: 九州大学 1991年度 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。