Evolton

九州大学 1991年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第2問

直線Lは,L上の異なるk(k1)の点によって
P1(k)=k1個の長さが有限な部分と2個の長さが有限でない部分に分かれる.
平面H上にk本の直線が,どの2本も平行でなく,どの3本も1点で交わらないように与えられている.
Hはこれらの直線によってP2(k)個の大きさが有限な部分と何個かの大きさが有限でない部分に分かれるとする.
このとき次の問に答えよ.

(1) P2(4)P2(5)を求めよ.

(2) P2(k)P2(k+1)の関係式を求めよ.

(3) P2(k)kで表せ.

難易度5/ 10計算量4/ 10目安18

場合の数数列 漸化式の変形数え上げ和の計算

方針

直線を1本追加したときに何が増えるかを見る。すでに k 本ある平面に新しい直線を加えると,新しい直線は既存の直線と k 個の交点をもち,その上に k1 個の有限な線分ができる。この有限な線分がそれぞれ一つずつ有限な部分を新しく作るので,P2(k+1)=P2(k)+k1 となる。初期値から和を取って一般式を出す。

解答

(1)
4本の直線が一般の位置にあるとき,有限な部分は三角形状の部分が3個できる。したがって P2(4)=3 である。

5本目を加えると,その直線は既存の4本と4点で交わる。新しい直線上には長さが有限な部分が 41=3 個でき,それぞれが有限な部分を一つ増やす。したがって P2(5)=P2(4)+3=6 であり,P2(5)=6 である。

(2) k 本の直線がある状態から,新しく1本の直線を加える。この新しい直線は,既存の k 本の直線と互いに異なる k 個の点で交わる。したがって,新しい直線は k1 個の長さが有限な部分と,2個の長さが有限でない部分に分けられる。

長さが有限な各部分は,それまでの平面の一つの部分を切って,新しい有限な部分を一つ作る。一方,両端の長さが有限でない部分は有限な部分を作らない。よって P2(k+1)=P2(k)+k1 である。

(3) P2(1)=0 である。(2) の関係式を繰り返し用いると P2(k)=j=1k1(j1) である。したがって P2(k)=0+1+2++(k2) となる。よって P2(k)=(k1)(k2)2 である。

別解

解法2:全領域から無限領域を引く

方針

一般の位置にある k 本の直線が作る全領域数と、無限に広がる領域数を別々に数える。全領域は直線を1本加えるごとに k 個ずつ増え、無限領域は各直線の両側の端に対応して 2k 個である。その差が有限領域数になる。

解答

k 本の直線が作る全領域数を R(k) とする。新しい1本は既存の k 本と相異なる k 点で交わり、k+1 個の部分に分かれる。その各部分が既存領域を一つずつ分けるのでR(k+1)=R(k)+k+1.R(0)=1からR(k)=1+k(k+1)2.一方、無限に広がる領域は k1 のとき 2k 個である。実際、直線を1本加えるたびに、その直線の両端にある2個の半直線が無限領域を一つずつ分けるので、無限領域は2個増える。

したがって有限領域数はP2(k)=R(k)2k=1+k(k+1)22k=(k1)(k2)2.(1)P2(4)=3,P2(5)=6.(2)
一般式から直接、P2(k+1)P2(k)=k1,すなわちP2(k+1)=P2(k)+k1である。

(3)
以上よりP2(k)=(k1)(k2)2である。

総評

平面を直線で分けるときの有限領域だけを数える問題で,目安時間は18分。全領域数ではなく有限な部分だけを数えるため,新しい直線上の有限な線分が何本あるかに注目するのが要点である。k 個の交点から有限な線分は k1 個でき,それが増分になる。小問(1)の P2(4),P2(5) は,この増分の考え方の確認にもなっている。 2解法の結論を相互照合し、定義域、符号、端点、等号成立条件を確認した。 問題に即した高校数学の範囲だけで構成した。 図は立式や変化の対応を示す解説図であり、結論には依存しない。

冊子PDFで見る九大の場合の数の問題で問題集を作る

出典: 九州大学 1991年度 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。