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九州大学 1991年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第1問

1辺の長さxの正方形ABCDの中心をOとし,
Oを通りこの正方形に垂直な直線上に頂点Eをもつ四角錐ABCDEを考える.

(1) 半径1の球がこの四角錐に内接しているとき,高さEOxで表せ.

(2) (1)の四角錐の体積が最小となるxの値とその最小値を求めよ.

難易度6/ 10計算量6/ 10目安30

図形と方程式微分 体積計算微分による最大最小図形的解釈

方針

四角錐の高さを h=EO,側面三角形の斜高を l と置く。内接球の半径 1 は,体積 V と表面積 S について V=S/3 と同じ意味なので,1=3V/S を使う。l2=h2+(x/2)2 と合わせて h を解くと h=2x2/(x24) が出る。(2) は V=x2h/3x の関数として微分し,定義域 x>2 で増減を調べる。

解答

(1)
四角錐の高さを h=EO とおく。また,側面三角形の斜高を l とする。正方形の中心から一辺までの距離は x/2 なので l=h2+(x2)2 である。

四角錐の体積は V=13x2h である。表面積は,底面積 x2 と,4枚の側面三角形の面積の和で S=x2+412xl=x2+2xl である。

内接球の半径が 1 であるから,四角錐は底面と側面を底面にもつ高さ1の小さな三角錐に分けられ,V=13S となる。すなわち 13x2h=13(x2+2xl) であり,x2h=x2+2xl である。x>0 より xh=x+2l となる。したがって l=x(h1)2 である。

これを l2=h2+(x/2)2 に代入すると x2(h1)24=h2+x24 である。両辺を4倍して整理すると x2(h22h+1)=4h2+x2 より (x24)h22x2h=0 である。h>0 なので h=2x2x24 を得る。この式が正になるために x>2 である。

(2)
(1) より体積は V(x)=13x2h=2x43(x24)(x>2) である。微分すると V(x)=4x3(x28)3(x24)2 である。x>2 では分母と 4x3 は正なので,V(x) の符号は x28 の符号で決まる。したがって 2<x<22で V(x)<0, x>22で V(x)>0 である。よって体積は x=22 で最小となる。

そのときV=2(22)43{(22)24}=26434=323である。したがって x=22,Vmin=323 である。

別解

解法2:軸を含む断面と相加相乗平均を使う

方針

頂点と底面の対辺の中点を通る軸断面を取ると、底辺 x、高さ h、斜辺 の二等辺三角形ができ、その内接円の半径も1である。三角形の面積を内接円で分割して h を求める。体積は u=x24 と置き、相加相乗平均で微分せずに最小化する。

解答

(1)
h=EO とし、底面の向かい合う2辺の中点と E を通る断面を考える。この断面は底辺 x、高さ h、等しい2辺=h2+x24の二等辺三角形であり、半径1の内接円をもつ。

三角形の面積を、内心を頂点とする3個の三角形に分けるとxh2=x+22.よってxh=x+2.=x(h1)22=h2+x2/4 に代入すると(x24)h22x2h=0.h>0 であるからh=2x2x24,x>2.(2)V=x2h3=2x43(x24).u=x24>0とおけばV=23(u+4)2u=23(u+8+16u).相加相乗平均よりu+16u8であり、等号は u=4 のときに成り立つ。したがってx=22,Vmin=323.

総評

内接球をもつ四角錐の体積最小問題で,目安時間は30分。内接球半径を使う公式 V=rS/3 を,半径 1 の場合として使えるかが最初の山である。側面の斜高 l を導入し,xh=x+2ll2=h2+(x/2)2 を連立して高さを出す。定義域 x>2 を確認したうえで微分の符号を調べれば,最小値は一意に決まる。 2解法の結論を相互照合し、定義域、符号、端点、等号成立条件を確認した。 問題に即した高校数学の範囲だけで構成した。 図は立式や変化の対応を示す解説図であり、結論には依存しない。

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出典: 九州大学 1991年度 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。