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名古屋大学 2017年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第3問

次の問いに答えよ。

(1) 次の条件を満たす3つの自然数の組 (a,b,c) をすべて求めよ。a<b<c,1a+1b+1c=12.(2) 偶数 2nn1)の3つの正の約数 p,q,r で、p>q>r,p+q+r=nを満たす組 (p,q,r) の個数を f(n) とする。ただし、条件を満たす組が存在しない場合は f(n)=0 とする。

n が自然数全体を動くときの f(n) の最大値 M を求めよ。また、f(n)=M となる自然数 n の中で最小のものを求めよ。

難易度7/ 10計算量6/ 10目安27

整数場合の数 約数・倍数、数え上げ、場合分け、必要十分条件

方針

(1)a<b<cからaの範囲を3,4,5に絞り,各a1/b+1/cを積の形に変形して有限個を列挙する。(2)は条件を満たす約数p,q,rからa=2n/pb=2n/qc=2n/rを作ると(1)の組になることを使う。逆に(1)の組が2nをすべて割り切れば約数組が得られるので,各組に対応するnの割り切り条件を列挙し,6組すべてを同時に実現する最小のnを最小公倍数で求める。

解答

(1) a<b<cであるから 1a+1b+1c<3a である。左辺は1/2なので 12<3a よりa<6である。また1/a<1/2でなければならないのでa>2である。したがって a=3,4,5 を調べればよい。 a=3のとき 1b+1c=16 である。両辺に6bcをかけて整理すると bc6b6c=0 すなわち (b6)(c6)=36 である。b<cより,36の約数の小さい方だけを見ればよく,(b,c)=(7,42),(8,24),(9,18),(10,15) を得る。 a=4のとき 1b+1c=14 であるから (b4)(c4)=16 である。b<cより (b,c)=(5,20),(6,12) を得る。 a=5のとき 1b+1c=310 である。これをcについて解くと c=10b3b10 である。さらにc>bなら 10b3b10>b よりb<20/3である。b>a=5なのでb=6しかないが,このときc=60/8で整数ではない。したがってa=5からは解は出ない。

以上より,条件を満たす組は (3,7,42),(3,8,24),(3,9,18),(3,10,15),(4,5,20),(4,6,12) である。

(2)
条件を満たす(p,q,r)があるとする。そこで a=2np,b=2nq,c=2nr とおく。p,q,r2nの正の約数なので,a,b,cは自然数である。またp>q>rより a<b<c である。さらに1a+1b+1c=p2n+q2n+r2n=p+q+r2n=12である。したがって(a,b,c)は(1)で求めた6組のいずれかである。

逆に,(1)の組(a,b,c)について,a,b,cがすべて2nの約数であれば p=2na,q=2nb,r=2nc2nの正の約数であり,a<b<cからp>q>rとなる。また p+q+r=2n(1a+1b+1c)=n である。よって,求める組は(1)の6組と対応している。

各組について,a,b,cがすべて2nを割り切る条件を調べる。必要十分条件は(a,b,c)n-condition(3,7,42)21n(3,8,24)12n(3,9,18)9n(3,10,15)15n(4,5,20)10n(4,6,12)6nである。たとえば(3,7,42)では422n,すなわち21nが必要十分である。他も同様に,lcm(a,b,c)2nを整理したものである。

(1) の組は6個しかないので,f(n)の最大値は高々6である。上の6条件をすべて満たすnを取れば6個すべてが実現するので,最大値は M=6 である。そのようなnのうち最小のものは lcm(21,12,9,15,10,6)=223257=1260 である。

別解

解法2

方針

(1) では a=3,4,5 に絞った後、c=2ab(a2)b2ac>b から b の短い候補列を直接調べる。(2)では6組との対応を使い、f(n) を6個の倍数条件の指示関数の和として明示する。

解答

(1)
大小関係から12<3aなので a<6、また 1/a<1/2 なので a>2。よって a=3,4,5 だけを調べる。与式を c について解くとc=2ab(a2)b2a.a=3 では c>b より 6<b<12b=7,8,9,10,11 を代入し、c が自然数となるものを残すと(b,c)=(7,42),(8,24),(9,18),(10,15).a=4 では 4<b<8 であり、(b,c)=(5,20),(6,12).a=5 では 5<b<20/3 なので b=6 だけだが、c=60/8 は自然数でない。したがって(3,7,42), (3,8,24), (3,9,18),(3,10,15), (4,5,20), (4,6,12)がすべてである。

(2)
条件を満たす (p,q,r) からa=2np,b=2nq,c=2nrを作ると(1)の組になる。逆に、(1)の組の各数が 2n を割り切ればp=2na,q=2nb,r=2ncが条件を満たす。よって一対一に対応する。

6組が使える条件は順に21n,12n,9n,15n,10n,6n.したがって最大値はM=6.初めて6条件をすべて満たす自然数はlcm(21,12,9,15,10,6)=223257=1260である。

総評

難度7,計算量6。目安時間は27分。(1)の列挙は範囲をa=3,4,5まで絞れば標準的だが,積の形への変形で候補を漏らさないことが大切である。(2)は約数条件をそのまま数えるより,(p,q,r)を逆数の和の問題へ変換するのが核心である。大小関係がp>q>rからa<b<cへ逆転する点,およびa,b,c2nnの割り切り条件に変わる点を丁寧に書くと,対応の過不足がなくなる。

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出典: 名古屋大学 2017年度 前期 文系数学 第3問(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。