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名古屋大学 2018年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第1問

a,b を実数とし、少なくとも一方は0でないとする。

(1)
次の2つの連立不等式のいずれかが表す領域が三角形となるために、a,b が満たすべき条件を求めよ。さらに、その条件を満たす点 (a,b) の範囲を座標平面上に図示せよ。{3x+2y+40,x2y+40,ax+by0または{3x+2y+40,x2y+40,ax+by0.(2)
(1) の三角形の面積を S とするとき、Sa,b を用いて表せ。

(3) S4を示せ。

難易度8/ 10計算量6/ 10目安35

図形と方程式方程式・不等式 座標設定、範囲評価、面積計算不等式評価

方針

はじめの2直線の交点 V=(2,1) から、共通領域の境界となる2本の半直線を方向ベクトル (2,3)(2,1) で表す。直線 ax+by=0 が両方の半直線を正の位置で切ることが、どちらか一方の符号の半平面で三角形を作れるための必要十分条件である。交点パラメータ t,s を求め、条件を (a,b) 平面の2つの扇形へ整理する。面積は2辺の行列式で計算する。

解答

(1)

固定された2直線の交点を V とするとV=(2,1).共通領域の境界となる2本の半直線はV+t(2,3)(t0),V+s(2,1)(s0)である。実際、第1の半直線上では 3x+2y+4=0、第2の不等式は 8t0 となる。第2の半直線でも同様である。

直線 ax+by=0 が2本の半直線をともに正の位置で切れば、ax+by0 または ax+by0 の適切な一方を選ぶことで三角形が得られる。逆に三角形ができるなら、この直線は両半直線を正の位置で切らなければならない。

各交点でa(2+2t)+b(13t)=0,a(2+2s)+b(1+s)=0だからt=2ab2a3b,s=2ab2a+b.したがって必要十分条件は2ab2a3b>0,2ab2a+b>0.3つの式 2ab,2a3b,2a+b がすべて同符号になる条件を整理すると{a>0,2a<b<23aまたは{a<0,23a<b<2a.境界上では直線が頂点 V を通るか、一方の半直線と平行になるため、いずれも含まれない。

(2)

三角形の V から出る2辺はt(2,3),s(2,1)である。したがってS=122t2s3ts=4ts.(1) の条件のもとで t,s>0 だからS=4(2ab)2(2a3b)(2a+b).(3)

(1) の範囲では(2a3b)(2a+b)>0.また(2ab)2(2a3b)(2a+b)=4b20.よって正の分母で割ると(2ab)2(2a3b)(2a+b)1.(2) よりS4.等号は b=0 のときに成り立つ。

別解

解法2

方針

頂点 V=(2,1) を原点とする斜交座標を入れる。共通領域の点を V+u(2,3)+v(2,1)  (u,v0) と表すと、直線 ax+by=0u,v 平面で切片形の一次方程式になる。両切片が正である条件と、座標変換の面積倍率8から、条件と面積を同時に導く。

解答

(1)

共通領域の点を(x,y)=(2,1)+u(2,3)+v(2,1),u,v0と表す。このときax+by=(2ab)+(2a3b)u+(2a+b)v.したがって直線 ax+by=0(2a3b)u+(2a+b)v=2abとなる。

この直線が u 軸、v 軸の正の部分を切るための条件は2ab2a3b>0,2ab2a+b>0.これを符号で整理してa>0, 2a<b<23aまたはa<0, 23a<b<2aを得る。

(2)

u,v 平面でできる三角形の2切片はt=2ab2a3b,s=2ab2a+bだから、その面積は ts/2 である。座標変換の面積倍率は2231=8なのでS=8ts2=4(2ab)2(2a3b)(2a+b).(3)

分子を分母で割る形にするとS=4(1+4b2(2a3b)(2a+b)).(1) の条件のもとでは分母が正であるから、括弧内は1以上である。よってS4.

総評

難度8、目安時間35分。2本の固定直線が作る無限の角領域を、原点を通る直線 ax+by=0 で切り取る問題である。三角形ができる条件は、第三の直線が頂点から出る2本の半直線をともに正の位置で切ること。答えは (a,b) 平面で互いに反対向きの2つの開いた扇形になる。面積は行列式でも斜交座標の面積倍率でも求められ、(2ab)2(2a3b)(2a+b)=4b2 が評価の核心である。境界を含まないことと、(3)で分母が正であることを明記する。

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出典: 名古屋大学 2018年度 前期日程 数学(文系)(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。