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岡山大学 2023年度 前期理系数学 第4問

0<x<yとする.平行四辺形ABCDにおいて,辺ABの長さをx,BCの長さをy,ABC=2θ(0<θ<π2)とする.平行四辺形ABCDの内角A,B,C,D2等分する直線をそれぞれlA,lB,lC,lDとし,lAlBの交点をElBlCの交点をFlClDの交点をGlDlAの交点をHとする.平行四辺形ABCDと平行四辺形EFGHが重なる部分の面積をSとする.以下の問いに答えよ.

(1) FEHを求めよ.

(2) 線分AEおよび線分AHの長さを求めよ.

(3)Hが平行四辺形ABCDの外部にあるような,x,yの条件を求めよ.

(4) Sを求めよ.

難易度7/ 10計算量7/ 10目安30

三角関数図形と方程式論証・証明 座標設定図形的解釈、場合分け、面積計算、計算整理

方針

角の二等分線の方向に合わせて,lB 方向とそれに垂直な方向を座標軸に取る。すると四角形 EFGH は長方形になり,AE,AH と内外判定が座標で読める。面積はこの長方形と平行四辺形の重なりを縦切りで積分し,y2xy>2x に分ける。

解答

(1)
B から内角の二等分線 lB の向きを基準にとる。lAlB と垂直であり,lClA に平行,lDlB に平行である。したがって四角形 EFGH は長方形であり,FEH=π2である。

(2)
lB 方向の単位ベクトルを e=(cosθ,sinθ),これに垂直な単位ベクトルを f=(sinθ,cosθ) とする。点の座標を e,f 方向の成分で表すとB=(0,0),A=(xcosθ,xsinθ),C=(ycosθ,ysinθ)である。この座標でlB:v=0,lA:u=xcosθ,lC:u=ycosθ,また D=A+C よりlD:v=(yx)sinθである。よってE=(xcosθ,0),H=(xcosθ,(yx)sinθ)であるから,AE=xsinθ,AH=ysinθを得る。

(3)
HH=A+12AD+y2xABと表される。平行四辺形 ABCD の内部または周上にあるためには,右辺の2つの係数がともに 0 以上 1 以下であればよい。ここで 0<x<y であるから,H が外部にある条件はy2x>1すなわちy>2xである。

(4)
上の (u,v) 座標で,長方形 EFGHxcosθuycosθ,0v(yx)sinθで表される。一方,この範囲の u に対して平行四辺形 ABCD の上下の境界はv=utanθ2xsinθ,v=utanθである。u=qcosθ とおくと,重なり部分の縦の長さはsinθ{min(yx,q)max(0,q2x)}である。

y2x のとき,xqy でこの長さは常に (yx)sinθ である。したがってS=(yx)2sinθcosθ=12(yx)2sin2θである。

y>2x のとき,q=yxq=2x の大小関係に応じて区間を分けて積分すると,いずれの場合もxy{min(yx,q)max(0,q2x)}dq=x(2y3x)となる。よってS=x(2y3x)sinθcosθ=12x(2y3x)sin2θである。

以上よりS={12(yx)2sin2θ(x<y2x),12x(2y3x)sin2θ(y>2x)である。

別解

解法2(直角三角形と長方形の切り取りで面積を求める方法)

方針

隣り合う内角の二等分線が直交することから EFGH を長方形と捉える。AE,AH は直角三角形の三角比で求め、重なり面積は長方形全体から外へ出る2つの合同な直角三角形を引く。積分は使わない。

解答

(1)
平行四辺形の隣り合う内角の和は π である。その半分の和は π/2 だからlAlB.線分 EFlB 上、線分 EHlA 上にあるのでFEH=π2.また lAlC, lBlD だから、EFGH は長方形である。

(2)
ABEE を直角とする。平行四辺形の角 A
π2θ だからBAE=π2θ.斜辺 AB=x よりAE=xcos(π2θ)=xsinθ.同様に ADHH を直角とし、斜辺 AD=BC=y だからAH=ysinθ.(3)
lA と辺 BC の交点を K とする。
ABK ではBAK=AKB=π2θ.正弦定理よりAKsin2θ=xcosθ,AK=2xsinθ.一方 AH=ysinθ である。したがって H が辺 BC を越えて外部にある条件はAH>AKy>2x.(4)
E,F はそれぞれ A,C から lB へ下ろした垂線の足とみなせるからBE=xcosθ,BF=ycosθ.よって長方形 EFGH の2辺はEF=(yx)cosθ,EH=AHAE=(yx)sinθ.したがってその面積は(yx)2sinθcosθ.(1)x<y2x のとき、長方形 EFGH は平行四辺形 ABCD の内部に収まる。よってS=(yx)2sinθcosθ=12(yx)2sin2θ.y>2x のときは、図のように長方形の対角にある2つの合同な直角三角形が平行四辺形の外へ出る。各三角形の直角をはさむ2辺は(y2x)cosθ,(y2x)sinθである。したがって(1)から2個分を引いてS=(yx)2sinθcosθ(y2x)2sinθcosθ=x(2y3x)sinθcosθ=12x(2y3x)sin2θ.以上よりS={12(yx)2sin2θ(x<y2x),12x(2y3x)sin2θ(y>2x).

総評

目安時間は25〜30分。標準解法は角の二等分線に沿う直交座標で重なりを積分し、別解は直角三角形の三角比と長方形からの切り取りで求めた。境目 y=2xH が辺 BC 上に来る場合で、2つの面積式も一致する。外へ出る三角形は2個あるため、各面積の2倍を引く点に注意する。

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出典: 岡山大学 2023年度一般選抜前期 数学 第4問(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。