問題
を正の整数とする。2つの整数を条件
により定める。ここで,は無理数なので,このような整数の組はただ1つに定まる。
(1) をを用いてそれぞれ表せ。さらに,の値をそれぞれ求めよ。
(2) 等式
が成り立つことを数学的帰納法を用いて表せ。
(3) のとき,を求めよ。
(4) ,,をすべて満たす整数の組を1組求めよ。
方針
解法1(共役数による一般項)
(1)はを展開して係数比較する。数値は漸化式で順に出す。(2)は共役な形が同じ漸化式を満たすことを帰納法で示す。(3)は(2)の式と元の式を引いてを閉じた形で表し,として積を整理する。符号はから決まる。(4)はを代入して一次不定方程式を解き,指定範囲内の1組を出す。
別解($b_n$ の漸化式と行列式型不変量)
(1)の2本の漸化式から を消去して を得る。隣接3項で作る が符号反転することを示す。(4)では をそのままベズー型の等式へ使う。
解答
解法1(共役数による一般項)
(1)
定義より である。両辺にをかけると である。右辺を展開して となるから,係数比較により である。
では よりである。漸化式を用いると
である。したがって である。
(2)
数学的帰納法で示す。のときは であるから成り立つ。
で が成り立つと仮定する。この両辺にをかけると である。右辺は となる。(1)より なので, である。よってでも成り立つ。以上より,すべての正の整数について が成り立つ。
(3)
とおく。(2)と定義式を引くと であるから, である。したがって
である。分子を整理すると,とが打ち消し合い, となる。ここで であり,また である。よって分子は
である。したがって である。
(4)
(1)よりであるから,求める条件は である。ユークリッドの互除法を用いると
である。これを逆にたどると
である。これは を与える。をともに以上にするため,の一般解を考えると である。とすれば となり,これはを満たす。したがって,例えば でよい。
別解($b_n$ の漸化式と行列式型不変量)
(1)
係数比較から
であり、 となる。
(2)
共役な式はこの漸化式を保つので、数学的帰納法により も成り立つ。
(3)
を に代入すると
を得る。 とおく。 から
一方、
なので である。
(4)
とすれば
したがって がまず得られる。一般解は
であり、 とすれば となる。これは指定範囲を満たす。