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東北大学 2026年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第3問

平面上の三角形OABにおいてa=OA
b=OBとおき,次が成り立つとする。a=2,b=5,ab=1ただし,ababの内積を表す。
s,t0<s<1,0<t<1を満たす実数とし,
OAs:(1s)に内分する点をD,辺OBt:(1t)に内分する点をEとする。
また,線分AEと線分BDの交点をFとし,これら2つの線分は点Fにおいて直交しているとする。
以下の問いに答えよ。

(1) tsを用いて表せ。また,sのとりうる値の範囲を求めよ。

(2) OF
a,bおよびsを用いて表せ。

(3) 平面上の点POP2+2FPAB=4を満たすもの全体が半径3の円をなすための必要十分条件を
OF,a,bを用いて表せ。
また,この必要十分条件が成り立つとき,sの値を求めよ。

難易度7/ 10計算量6/ 10目安25

ベクトル図形と方程式 内積の利用ベクトル成分計算軌跡文字消去

方針

直線 AEBD の方向ベクトルをそれぞれ tbasab と表す。直交条件はこれらの内積が0であることなので,まず s,t の関係式を得る。交点 F は,AE 上の点と BD 上の点を係数つきで等置して求める。最後の軌跡条件は,点 P の位置ベクトルを p とし,式を平方完成して円の中心と半径を読み取る。半径が3である条件は,OF(ba)=0 に帰着する。

解答

(1)D,E の位置ベクトルはOD=sa,OE=tbである。直線 AE の方向ベクトルは tba であり,直線 BD の方向ベクトルは sab である。2直線が直交するので,これらの内積は0である。したがって (tba)(sab)=0 である。

与えられた条件a2=2,b2=5,ab=1を用いると,(tba)(sab)=st(ab)tb2sa2+abより st5t2s+1=0 となる。これを t について解くと t(s5)=2s1 であるから,t=12s5s を得る。

条件 0<s<10<t<1 を調べる。0<s<1 では 5s>0 であるから,t>0 となる条件は 12s>0 すなわち 0<s<12 である。またこの範囲では 0<12s<5s が成り立つので t<1 も満たされる。よって求める s の範囲は 0<s<12 である。

(2) 交点 F を直線 AE 上で OF=(1λ)a+λtb と表す。また直線 BD 上で OF=(1μ)b+μsa と表す。a,b は三角形を作る2辺のベクトルなので一次独立であり,係数を比較できる。よって 1λ=μs,λt=1μ である。

ここで 0<s,t<1 より 1st>0 である。これを解くと,λ=1s1st,μ=1t1st となる。したがってOF=s(1t)1sta+t(1s)1stbである。

ここに t=12s5s を代入する。まず 1t=112s5s=4+s5s, また1st=1s12s5s=5ss+2s25s=2s22s+55sである。よって a の係数は s(1t)1st=s(s+4)2s22s+5 である。

同様に b の係数はt(1s)1st=(12s)(1s)2s22s+5=(s1)(2s1)2s22s+5である。したがってOF=s(s+4)2s22s+5a+(s1)(2s1)2s22s+5bである。

(3)P の位置ベクトルを p とする。条件式OP2+2FPAB=4をベクトルで書き直す。ここでFP=pOF,AB=baであるから,p2+2(pOF)(ba)=4となる。すなわちp2+2p(ba)=4+2OF(ba)である。左辺を平方完成するとp+ba2ba2=4+2OF(ba)である。

ここでba2=b22ab+a2=52+2=5だから,軌跡はp+ba2=9+2OF(ba)と表される。したがって,この軌跡が半径3の円であるための必要条件は 9+2OF(ba)=9,すなわち OF(ba)=0 である。逆にこの内積が0ならば軌跡の式は p+ba2=9 となり,中心 b+a,半径3の円を表す。よって必要十分条件は OF(ba)=0 である。

(2) の結果を OF=Aa+Bb とおく。ただし A=s(s+4)2s22s+5,B=(s1)(2s1)2s22s+5 である。このときa(ba)=12=1,b(ba)=51=4だから,OF(ba)=A+4B である。よって A+4B=s(s+4)+4(s1)(2s1)2s22s+5 であり,分子を整理すると s24s+8s212s+4=7s216s+4=(s2)(7s2) となる。したがってOF(ba)=(s2)(7s2)2s22s+5である。

分母は 2s22s+5=2(s12)2+92>0 であるから,条件は (s2)(7s2)=0 である。(1)で得た範囲 0<s<1/2 に入るのは s=27 だけである。

総評

難易度は7/10で,文系では25〜30分を見込む差がつく問題である。(1)(2)は確保したい標準部分,(3)が完答者を分ける。採点上は,直線 AE,BD の方向ベクトルと直交条件,0<t<1 を含む s の範囲,交点 F の2通りの表示,軌跡の平方完成,半径3となる条件の必要性と十分性,最後の s の範囲確認が要点になる。1st0 を断らずに割ること,半径の二乗だけを合わせて逆向きを書かないこと,s=2 を範囲確認せず残すことが典型的な失点である。時間が厳しければまず(1)(2)を答案化し,(3)は平方完成までを部分点として残したい。

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出典: 東北大学 2026年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。