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東北大学 2026年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第4問

関数f(x)=x4−x2を考える。座標平面において,x軸と平行な直線lは
曲線y=f(x)上の相異なる2点における接線であるとする。以下の問いに答えよ。

(1) 関数f(x)の極値を求め,y=f(x)のグラフをかけ。

(2) 直線lの方程式を求めよ。なお,解答は答えのみでよい。

(3) 直線lと異なる直線mは曲線y=f(x)とちょうど2つの共有点をもち,
かつx軸と平行であるとする。
直線lと曲線y=f(x)で囲まれる部分の面積をSとし,
直線mと曲線y=f(x)で囲まれる部分の面積をTとするとき,
TS>2が成り立つことを示せ。

難易度6/ 10計算量6/ 10目安25分

微分、積分、関数 増減表、接線・法線、面積計算、不等式評価

方針

まず f′(x) を調べ,グラフの概形と水平な接線を求める。2点で接する水平線は左右対称な極小点を通る直線である。面積 S は偶関数性を利用して半分を積分する。もう一つの水平線 m:y=h がグラフとちょうど2点で交わる条件は,h>0 と表せる。このとき交点の正の x 座標を α とおくと,h=α4−α2 であり,面積 T を α の式で表せる。最後に α>1 を使って T の下限を評価し,S と比較する。

解答

(1) 関数 f(x)=x4−x2 の導関数は f′(x)=4x3−2x=2x(2x2−1) である。したがって停留点は x=0,x=±12 である。それぞれの値はf(0)=0,f(±12)=14−12=−14である。

導関数の符号は,(−∞,−1/2) で負,(−1/2,0) で正,(0,1/2) で負,(1/2,∞) で正である。また f(x) は偶関数で,x=−1,0,1 で x 軸と交わり,∣x∣→∞ で f(x)→∞ となる。したがってグラフは y 軸対称で,(0,0) で極大値0を,x=±1/2 で極小値 −1/4 をとるW字形である。

(2) 2つの異なる点で接する水平な直線は,2つの極小点を通る直線であるから,l:y=−14 である。

(3) まず,直線 l とグラフで囲まれる部分は,−1/2≤x≤1/2 にある。この区間では f(x)+14=x4−x2+14=(x2−12)2≥0 であり,面積 S は S=∫−1/21/2(f(x)+14)dx である。偶関数性を用いると S=2∫01/2(x4−x2+14)dx である。計算すると S=2[x55−x33+x4]01/2 であり,r=1/2 とおくと r3=r/2,r5=r/4 だからS=2(r20−r6+r4)=2r(360−1060+1560)=4r15=2215となる。したがって S=2215 である。

次に,直線 m を m:y=h とおく。方程式 x4−x2=h がちょうど2つの実数解をもつ条件を考える。グラフの概形より,h>0 のとき,左右対称に2つの交点だけが現れる。逆に −1/4<h<0 では4点,h=0 では3点,h=−1/4 では接点を含めて2点だがその直線はすでに l である。ここでは m は l とは異なるもう一つの水平線なので,対象となるのは h>0 である。

正の交点の x 座標を α とする。このとき h>0 だから α>1 であり,h=f(α)=α4−α2 である。直線 m とグラフで囲まれる面積を T とすると,対称性より T=2∫0α{h−f(x)} dx である。h=α4−α2 を代入して T=2∫0α(α4−α2−x4+x2)dx となる。よってT=2[(α4−α2)x−x55+x33]0αであり,T=2(α5−α3−α55+α33)=2(45α5−23α3)=415α3(6α2−5)である。 α>1 であるから,α3(6α2−5)>1⋅(6−5)=1 である。したがって T>415 である。一方,上で求めた S より 2S=2⋅2215=415 である。よって T>2S が成り立つ。

総評

難易度は6/10で,20〜25分を目安とする標準〜やや難の微積分問題である。(1)(2)は必ず確保し,(3)の面積評価が差になる。採点点は導関数の符号を反映したグラフ,2つの極小点に共通する接線 l,偶関数性を使った S の積分,m:y=h がちょうど2交点をもつ条件 h>0,交点 α>1 による T の表示,最後の厳密不等式である。h=0 の3交点や h=−1/4 の除外を落とすこと,S,T で上下を逆にすること,α>1 から得る不等号を等号にしてしまうことが典型的な失点になる。計算は S と T を別々に整理し,最後に 2S=4/15 と比較すると安定する。

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出典: 東北大学 2026年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。