方針
まず を調べ,グラフの概形と水平な接線を求める。2点で接する水平線は左右対称な極小点を通る直線である。面積 は偶関数性を利用して半分を積分する。もう一つの水平線 がグラフとちょうど2点で交わる条件は, と表せる。このとき交点の正の 座標を とおくと, であり,面積 を の式で表せる。最後に を使って の下限を評価し, と比較する。
解答
(1) 関数 の導関数は である。したがって停留点は である。それぞれの値はである。
導関数の符号は, で負, で正, で負, で正である。また は偶関数で, で 軸と交わり, で となる。したがってグラフは 軸対称で, で極大値0を, で極小値 をとるW字形である。
(2) 2つの異なる点で接する水平な直線は,2つの極小点を通る直線であるから, である。
(3) まず,直線 とグラフで囲まれる部分は, にある。この区間では であり,面積 は である。偶関数性を用いると である。計算すると であり, とおくと , だからとなる。したがって である。
次に,直線 を とおく。方程式 がちょうど2つの実数解をもつ条件を考える。グラフの概形より, のとき,左右対称に2つの交点だけが現れる。逆に では4点, では3点, では接点を含めて2点だがその直線はすでに である。ここでは は とは異なるもう一つの水平線なので,対象となるのは である。
正の交点の 座標を とする。このとき だから であり, である。直線 とグラフで囲まれる面積を とすると,対称性より である。 を代入して となる。よってであり,である。 であるから, である。したがって である。一方,上で求めた より である。よって が成り立つ。
総評
難易度は6/10で,20〜25分を目安とする標準〜やや難の微積分問題である。(1)(2)は必ず確保し,(3)の面積評価が差になる。採点点は導関数の符号を反映したグラフ,2つの極小点に共通する接線 ,偶関数性を使った の積分, がちょうど2交点をもつ条件 ,交点 による の表示,最後の厳密不等式である。 の3交点や の除外を落とすこと, で上下を逆にすること, から得る不等号を等号にしてしまうことが典型的な失点になる。計算は と を別々に整理し,最後に と比較すると安定する。