横浜国立大学 2022年度
文理共通数学 第3問
- 試験区分
- 前期
- 対象
- 経済・経営・理工・都市科学部共通(理工・都市科学部では第4問)
- 分野
- ベクトル、微分
- 解法
- ベクトル成分計算、内積の利用、微分による最大最小、計算整理
- 難易度
- 6 / 10 計算量 7 / 10 目安 —
問題
1辺の長さが1である正四面体OABCを考える。点P,Q,Rは、それぞれ辺OA,OB,BCを以下のように内分する。
OP:PA=s:(1−s),OQ:QB=t:(1−t),BR:RC=u:(1−u)
さらに、点O、△ABCの重心G、△PQRの重心Hの3点は同一直線上にある。
次の問いに答えよ。
(1) s,uをtの式で表せ。またsのとり得る値の範囲を求めよ。
(2) ∣QP∣2,∣QR∣2、内積OP⋅QRをtの式で表せ。
(3) △PQRの面積Sをtの式で表せ。またSが最小となるtの値を求めよ。
出典:横浜国立大学 2022年度 前期 文理共通 第3問
方針
解法1(基底ベクトルと内積を使う方法)
a=OA,b=OB,c=OC とおく。重心 H の位置ベクトルがa+b+c と平行であることから係数を比較する。正四面体では3本の基底ベクトルの長さが1、相互の内積が 1/2 なので、各辺と内積を計算し、Gramの式から面積を求める。
解法2(三辺を求め、Heron型の恒等式を使う方法)
重心条件は基底 a,b,c の係数比較で処理する。(2)の指定量に加え、三角形 PQR の第3辺 PR も計算する。面積は2辺の内積ではなく、3辺の長さだけを使う16S2=2(XY+YZ+ZX)−X2−Y2−Z2 に代入して求める。
解答
解法1(基底ベクトルと内積を使う方法)
(1)
とおく。各点の位置ベクトルは
OP=sa,OQ=tb,OR=(1−u)b+uc.
また
OG=3a+b+c,OH=3sa+(t+1−u)b+uc.
O,G,H が同一直線上にあり、a,b,c は一次独立だから
s=t+1−u=u.
よって
s=u=2t+1.
各点は辺を内分するので 0<t<1 である。したがって
21<s<1.
(2)
正四面体の1辺が1なので
∣a∣=∣b∣=∣c∣=1,a⋅b=b⋅c=c⋅a=21.
s=u=(t+1)/2 を代入して計算すると
より
さらに
(3)
同じ内積表を使うと
したがって
S2=41(∣QP∣2∣QR∣2−(QP⋅QR)2)=645t4+6t3−t2+2.
よって
根号内を F(t) とおくと
F′(t)=20t3+18t2−2t=2t(10t−1)(t+1).
0<t<1 で F は 0<t<1/10 で減少し、1/10<t<1 で増加する。したがって
S が最小となるのは t=101.
解法2(三辺を求め、Heron型の恒等式を使う方法)
(1)
が a+b+c と平行である。a,b,c は一次独立だから3係数は等しく、
s=t+1−u=u.
よって
s=u=2t+1,21<s<1.
(2)
∣a∣2=∣b∣2=∣c∣2=1,a⋅b=b⋅c=c⋅a=21
を展開に用いる。すると
∣QP∣2=43t2+1,∣QR∣2=47t2−6t+3,
(3)
さらに
だから
X=PQ2, Y=QR2, Z=RP2 とおくと、三辺と面積の恒等式
16S2=2(XY+YZ+ZX)−X2−Y2−Z2
より
16S2=45t4+6t3−t2+2.
したがって
根号内の微分は
2t(10t−1)(t+1)
であるから、0<t<1 での唯一の極小点は
t=101
である。