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広島大学 2019年度 前期理系数学 第3問

関数f(x)は実数全体で連続で,すべての実数xに対してf(x)=(1x)cosx+xsinx0xextf(t)dtを満たすとする.ただし,eは自然対数の底である.次の問いに答えよ.

(1) f(0)の値を求めよ.また,f(x)=2(x1)cosxが成り立つことを示せ.

(2) f(x)を求めよ.

(3) 方程式f(x)=0は,0<x<πの範囲にただ一つの解をもつことを示せ.

(4) (3)のただ一つの解をαとする.曲線y=f(x)0xα),x軸およびy軸によって囲まれる部分の面積をS1とし,曲線y=f(x)αxπ),x軸および直線x=πによって囲まれる部分の面積をS2とする.S1S2の大小を判定せよ.

難易度7/ 10計算量6/ 10目安22

微分積分三角関数 微分による最大最小増減表面積計算定積分評価

方針

積分部分を補助関数とおき、微分して f(x) を求める。初期値から f を決定し、増減と符号で零点の一意性を示す。最後に、両面積の差を曲線の符号付き面積として評価する。

解答

(1)
与式に x=0 を代入するとf(0)=1である。ここでg(x)=(1x)cosx+xsinx,I(x)=0xextf(t)dtとおくと,f(x)=g(x)I(x) である。またI(x)=I(x)+f(x)=g(x)だからf(x)=g(x)I(x)=g(x)g(x)である。g(x)=(x1)cosx+xsinx よりf(x)=2(x1)cosxである。

(2)
(1)よりf(x)=1+0x2(t1)costdt=2(x1)sinx+2cosx1である。

(3)
f(0)=1>0f(π)=3<0 である。また f(x)=2(x1)cosx だから,0<x<1 で減少,1<x<π2 で増加,π2<x<π で減少する。

さらに 1<π3 なので cos1>12 であり,f(1)=2cos11>0 である。また f(π2)=π3>0 である。したがって 0<xπ2 では f(x)>0 で,π2<x<π では f は単調に減少し,端で符号が変わる。よって方程式 f(x)=00<x<π にただ一つの解をもつ。

(4)
(3)の解を α とすると,0x<αf(x)>0α<xπf(x)<0 である。したがってS1S2=0πf(x)dxである。ここで0πf(x)dx=[2{(x1)cosx+sinx}+2sinxx]0π=π4である。π<4 より S1S2<0 であるからS1<S2である。

別解

解法2

方針

積分核 ext を消すために与式全体へ ex を掛ける。積分方程式を微分可能な形へ直した後、増減と符号付き面積をグラフで確認する。

解答

g(x)=(1x)cosx+xsinxF(x)=exf(x)G(x)=exg(x) とおく。

(1)
x=0 を代入して f(0)=1 である。また与式へ ex を掛けるとF(x)=G(x)0xF(t)dt.右辺は微分可能なので F、したがって f も微分可能でありF(x)=G(x)F(x).F=ex(ff)G=ex(gg) を代入すると f=gg。計算してf(x)=2(x1)cosx.(2)
初期値から積分してf(x)=1+0x2(t1)costdt=2(x1)sinx+2cosx1.(3)
f(x)=2(x1)cosx の符号より、f(0,1) で減少、(1,π/2) で増加、(π/2,π) で減少する。f(1)=2cos11>0,f(π2)=π3>0,f(π)=3<0.よって前半では正のままで、最後の減少区間にだけ零点が1つある。これを α とする。

(4)
図の符号からS1S2=0πf(x)dx.ここで0πf(x)dx=π4<0であるから S1<S2 である。

総評

難度7,計算量6。想定時間は22分程度。積分核に自然指数があるときは、積分全体に指数因子を掛けてから微分すると構造を整理しやすい。零点の一意性は導関数の符号だけでなく、各端点の値と組み合わせる。面積比較では、両面積の差を曲線の符号付き面積として評価すると簡潔である。

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出典: 広島大学 2019年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。