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広島大学 2020年度 前期理系数学 第2問

i を虚数単位とする。z≠−1 を満たす複素数 z に対し、w=z−iz+1とおく。次の問いに答えよ。

(1) z≠−1 のとき w≠1 であることを示せ。また、w≠1 のとき、z を w を用いて表せ。

(2) t を −1 と異なる実数とする。複素数平面において、実部が t である複素数全体の描く直線を lt とおく。点 z が直線 lt 上を動くとき、点 w はある円 St から1点を取り除いた図形の上を動く。この円 St の中心 Pt に対応する複素数を t を用いて表せ。

(3) Pt を (2) で定義した点とする。t が −1 以外の実数全体を動くときに Pt が描く図形を、複素数平面上に図示せよ。

難易度6/ 10計算量6/ 10目安20分

複素数平面、図形と方程式 実部虚部比較、軌跡、円の性質、文字消去

方針

(1) で一次分数式を逆に解く。(2)では w=u+vi とおき、z=(w+i)/(1−w) の実部が t である条件を円の方程式へ整理する。(3)は中心座標から t を消去し、除外点も確認する。

解答

(1)

もし w=1 ならばz−iz+1=1より −i=1 となり矛盾する。よって w≠1 である。またw(z+1)=z−iを z について解くとz=w+i1−w.(2)

w=u+vi とおく。分母を実数化すると、z の実部はu(1−u)−v(v+1)(1−u)2+v2である。これが t に等しいから(t+1)(u2+v2)−(2t+1)u+v+t=0.t≠−1 なので円を表し、その中心は(2t+12(t+1),−12(t+1)).したがって Pt に対応する複素数は2t+12(t+1)−12(t+1)i.(3)

中心の座標を (X,Y) とするとX=1−12(t+1),Y=−12(t+1).よってY=X−1.また t≠−1 より Y≠0 である。したがって軌跡は直線 Y=X−1 から点 (1,0) を除いたものである。

別解

解法2(複素共役で円の方程式を作る)

方針

直線 lt を z+z‾=2t と表し、逆変換した z,z‾ を代入する。得られた式を w=u+vi で標準形に直して中心を読み、最後は中心の実部と虚部の差をとって軌跡を決める。

解答

(1)

w=1 を仮定すると z−i=z+1 となって矛盾する。また式を交差に掛けて整理すればz=w+i1−w.(2)

z の実部が t であることはz+z‾=2tと同値である。(1)からz=w+i1−w,z‾=w‾−i1−w‾.これらを代入し、w=u+vi とおいて整理すると(t+1)(u2+v2)−(2t+1)u+v+t=0.平方完成すれば(u−2t+12(t+1))2+(v+12(t+1))2=12(t+1)2.よって中心に対応する複素数は2t+12(t+1)−12(t+1)i.なお逆変換の条件 w≠1 により、円から点1が除かれる。

(3)

中心を X+Yi とするとX−Y=1,Y≠0.したがって Pt の軌跡はY=X−1から (1,0) を除いた直線である。

総評

難度6、目安時間20分。一次分数変換を逆に解いた後、縦線という条件を円の方程式へ移す問題である。実部・虚部で直接計算する方法と、複素共役を使う方法は同じ円へ到達する。中心の軌跡だけでなく、t=−1 に対応して到達しない点 (1,0) を白丸で除くことまで必要である。

冊子PDFで見る広大の複素数平面の問題で問題集を作る

出典: 広島大学 2020年度 一般入試(前期日程)(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。