Evolton

広島大学 2021年度 前期理系数学 第5問

座標平面において,曲線 y=ex 上の点 P(t,et) における法線を l とし,ly 軸との交点を Q とする。t0 のときは線分 PQ の中点を R とし,t=0 のときは R(0,1) とする。次の問いに答えよ。

(1) 直線 l の方程式を求めよ。

(2) t が実数全体を動くとき,点 R の描く曲線 C の方程式を求めよ。

(3) 曲線 Cy 軸,直線 y=e2+e2 で囲まれた図形 F の面積を求めよ。

(4) 図形 Fx 軸のまわりに回転して得られる回転体の体積を求めよ。

難易度6/ 10計算量7/ 10目安25

微分積分 接線・法線軌跡面積計算体積計算、置換積分

方針

法線の傾きは接線の傾きの負の逆数である。Qを求めて中点座標を t で表し,X=t2 とおいて軌跡の方程式にする。面積と体積は 0X1 で上側の水平線から曲線を引いて積分する。

解答

(1)
曲線 y=exx=t における接線の傾きは et である。したがって法線の傾きは et であり,l: yet=et(xt)である。

(2)
(1)より,ly軸との交点はQ=(0,tet+et)である。t0のとき,Rの座標は(t2, et+t2et)である。X=t2 とおくと,t=2X だからy=e2X+Xe2Xとなる。t=0のときも (X,y)=(0,1) でこの式を満たす。よって曲線Cy=e2x+xe2x(<x<)である。

(3)
x=1 のとき,曲線C上の点の y 座標は e2+e2 である。したがって求める面積は01{e2+e2(e2x+xe2x)}dxである。ここで01e2xdx=e212,01xe2xdx=1434e2より,面積は12e2+14+74e2である。

(4)
回転体の体積はπ01{(e2+e2)2(e2x+xe2x)2}dxである。さらに(e2x+xe2x)2=e4x+2x+x2e4xであり,01x2e4xdx=113e432である。したがって体積はπ(34e4+3932+4532e4)である。

別解

解法2(媒介変数表示と積分計算の詳述)

方針

Q と中点 Rt で表し,t=2x で媒介変数を消去する。囲まれる範囲を単調性で確認し,面積・体積の積分は項ごとに独立した表示数式で計算する。

解答

(1)
曲線 y=ex の点 P(t,et) における接線の傾きは et である。したがって法線の傾きは et であり,l: yet=et(xt)となる。

(2)
x=0 を法線の式へ代入するとQ=(0,et+tet).よって中点 RR(t2, et+t2et)である。R=(x,y) と書けば t=2x なのでC: y=e2x+xe2xを得る。t=0 の場合も右辺は1となり,指定された点 R(0,1) を含む。

点・法線・軌跡の関係は次の図のようになる。

(3)
g(x)=e2x+xe2x とおくとg(x)=e2x{12x+2e4x}.中括弧内の最小値は x=12log232+log2>0 だから,g は単調増加する。したがって図形 F0x1 にあり,その面積 SS=01{e2+e2e2xxe2x}dx.各積分を分けて計算すると01e2xdx=e212,01xe2xdx=[(x2+14)e2x]01=1434e2.ゆえにS=12e2+14+74e2.(4)
円板の差を積分するから,体積 VV=π01[(e2+e2)2(e2x+xe2x)2]dx.曲線の式の平方は(e2x+xe2x)2=e4x+2x+x2e4xである。ここで部分積分を2回行うと01x2e4xdx=[e4x(x24+x8+132)]01=1321332e4.したがって01(e2x+xe2x)2dx=14e4+25321332e4.また(e2+e2)2=e4+2+e4なので,差を整理してV=π(34e4+3932+4532e4)を得る。

総評

難度6,計算量7。想定時間は25分程度。法線から中点の軌跡を正しく出せば,後半は標準的な面積・回転体積分である。指数関数を含む積分の計算がやや重く,(4)では二乗展開後に項別に処理する整理力が必要である。

冊子PDFで見る広大の微分の問題で問題集を作る

出典: 広島大学 2021年度 一般選抜前期日程 数学(理系)(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。