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広島大学 2021年度 前期理系数学 第6問

座標平面において,O(0,0)A(4,0)P(3,0) とする。線分 OA に点 P で接する円 C を内接円とする三角形 OAB を考える。ただし,円 C の中心は第1象限にあるとする。次の問いに答えよ。

(1) OBAB の差は一定であることを証明せよ。

(2)C の半径を r とするとき,r のとる値の範囲を求めよ。

(3) r が (2) の範囲で変化するとき,点 B の軌跡の方程式を求めよ。また,その概形をかけ。

難易度6/ 10計算量5/ 10目安20

図形と方程式 図形的解釈軌跡円の性質、式変形

方針

接線の長さが同じであることから,辺 OA 上の接点 P に対して OP=3,AP=1 を使い,OBAB を求める。半径の範囲は,頂点 B からの接線長を文字で置いて面積公式 K=rs とヘロン型の計算で求める。軌跡は OBAB=2 を焦点差一定の式として座標化する。

解答

(1)
内接円が OA と接する点が P であり,OP=3, AP=1 である。接点までの2本の接線の長さは同じなので,頂点Bから内接円への接線の長さをxとおくとOB=3+x,AB=1+xである。よってOBAB=2であり,一定である。

(2)
(1)の x を用いると,三角形の3辺は 4, 3+x, 1+x であり,半周長は x+4 である。面積をKとすると,内接円の半径がrであるからK=(x+4)rである。一方,辺の長さからK2=(x+4)x13=3x(x+4)である。したがってr2=3xx+4である。x>0より0<r<3である。

(3)
B=(X,Y)とおく。Bx軸より上にあるので Y>0 である。(1)よりX2+Y2(X4)2+Y2=2である。これを整理すると(X2)2Y23=1を得る。さらに差が正であるから右側の枝であり,Y>0 も合わせて(X2)2Y23=1,X>3,Y>0である。概形は,中心が(2,0),頂点が(3,0),漸近線が Y=±3(X2) である双曲線の右上の枝である。

別解

解法2(接線の傾きで媒介表示)

方針

内心を I(3,r) と置き,O,A から円へ引いた接線の傾きを点と直線の距離で求める。2本の接線の交点として Br で媒介表示すれば,半径の範囲と双曲線の方程式が同時に得られる。

解答

(1)
円と辺 OB,AB の接点をそれぞれ R,Q とする。同一点から円へ引いた接線の長さは等しいからOR=OP=3,AQ=AP=1,BR=BQ.したがってOB=3+BR,AB=1+BQであり,OBAB=2は一定である。

(2)
内心は I(3,r) である。辺 OBy=mx とおく。中心 I とこの直線の距離が r だから3mrm2+1=rであり,0でない接線の傾きはm=6r9r2.同様に,辺 ABy=n(x4) とおくと,r1 のときn=2r1r2.2直線の交点を B=(X,Y) とするとX=9r23r2,Y=6r3r2.r=1 の場合は AB が垂直線 x=4 となり,上式の極限と同じく B=(4,3) である。

B が第1象限にあるには Y>0 が必要十分であり,r>0 と合わせて0<r<3を得る。逆にこの範囲の各 r について上の2接線は第1象限で交わるので,範囲内の値はすべて実現する。

(3)
媒介表示からX2=3+r23r2,Y=6r3r2.したがって(X2)2Y23=(3+r2)212r2(3r2)2=1.また 0<r<3 よりX3=2r23r2>0,Y>0.よって軌跡は(X2)2Y23=1,X>3,Y>0である。

中心は (2,0),頂点は (3,0),漸近線は Y=±3(X2) であり,図の右上の枝から頂点を除いた部分である。

総評

難度6,計算量5。想定時間は20分程度。内接円の接線長から辺の差が一定になることを見抜くと,軌跡は焦点差一定の双曲線として処理できる。半径の範囲では端点を含まないこと,軌跡では上側かつ右側の枝に限ることが重要である。

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出典: 広島大学 2021年度 一般選抜前期日程 数学(理系)(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。