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広島大学 2025年度 前期理系数学 第4問

nを自然数とする。(3n+1)個の箱A1,A2,…,A3n+1があり、1から3n+1までの各自然数kに対して、k番目の箱Akには、1からkまでの整数が一つずつ書かれたk枚のカードが入っている。これを初期状態とする。次の問いに答えよ。

(1) 箱A3n+1に入っているすべてのカードに書かれた整数の平均値Lをnを用いて表せ。

(2) 箱A1,A2,…,A3n+1に入っているすべてのカードに書かれた整数の平均値Mをnを用いて表せ。

(3) 初期状態から、箱A1,A2,…,A3n+1に入っているすべてのカードを箱Bに移す。箱Bから1枚のカードを取り出すとき、カードに書かれた整数が(2)で求めた値Mに等しくなる確率をP(n)とする。P(n)をnを用いて表せ。

(4) Mを(2)で求めた値とする。初期状態から、箱AM,AM+1,…,A3n+1だけ集めて、ケースCに収納する。ケースCから一つの箱を選び、さらにその箱から1枚のカードを取り出す。カードに書かれた整数がMに等しいとき、そのカードが箱A3n+1から取り出されている条件付き確率をQ(n)とする。lim⁡n→∞nQ(n)を求めよ。

難易度6/ 10計算量5/ 10目安18分

確率、場合の数、数列、積分 数え上げ、条件付き確率、和の計算、定積分評価

方針

箱 Ak のカード枚数と数の総和をまず集計する。(3) は全カードが同じ重み,(4) は箱が同じ重みである違いを保ち,条件付き確率を分子・分母に分ける。最後の調和和は区分求積法で log⁡3 に収束させる。

解答

(1)
箱A3n+1には 1,2,…,3n+1 のカードが入っているから、平均値はL=1+(3n+1)2=3n+22である。

(2)
N=3n+1とおく。すべてのカードの枚数は1+2+⋯+N=N(N+1)2である。また、すべてのカードに書かれた整数の総和は∑k=1Nk(k+1)2=N(N+1)(N+2)6である。したがってM=N+23=n+1である。

(3)
M=n+1である。値がMであるカードは、箱An+1,An+2,…,A3n+1に1枚ずつ入っているので、全部で2n+1枚である。よってP(n)=2n+1(3n+1)(3n+2)/2=2(2n+1)(3n+1)(3n+2)である。

(4)
箱Akを選び、その箱から値Mのカードを引く確率は、n+1≦k≦3n+1に対して12n+1⋅1kである。したがって条件付き確率はQ(n)=12n+1⋅13n+112n+1∑k=n+13n+11k=1(3n+1)∑k=n+13n+11kである。これは,条件事象の確率を分母,同時事象の確率を分子に置いたものである。これは,条件事象の確率を分母,同時事象の確率を分子に置いたものである。ゆえにnQ(n)=n3n+1(∑k=n+13n+11k)−1である。ここで∑k=n+13n+11k=1n∑k=n+13n+11k/n⟶∫13dxx=log⁡3であるから、lim⁡n→∞nQ(n)=13log⁡3である。

総評

【公式出題意図との対応】公式の出題意図は,場合の数と条件付き確率を正しく運用し,最後に数学IIIの区分求積法で調和和を評価できるかを確認するものとされている。本解答は「箱を一様に選んでから,箱内のカードを一様に選ぶ」という二段階の確率を保ったまま条件付き確率を立てている。

難度6,計算量5。想定時間は18分程度。(3) の全カード一様抽出と,(4) の箱一様・カード一様抽出は標本空間が異なる。ここを同じ重みで数えないことが最大の注意点である。

【別解監査】調和和の極限は積分による上下評価でも示せるが,公式意図に沿う区分求積表示が最短である。分母・分子に共通する箱選択確率を先に消去する構成を採用した。

【独立検算】n=1,…,10 で全カードを列挙し,M=n+1 と値 M のカード枚数 2n+1 を確認した。さらに nQ(n) が 1/(3log⁡3) に収束することを数値確認した。

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出典: 広島大学 令和7年度 一般選抜(前期日程)数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。