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京都大学 2007年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第5問

nを1以上の整数とするとき、次の2つの命題はそれぞれ正しいか。正しいときは証明し、正しくないときはその理由を述べよ。

命題p: あるnに対して、nn+1は共に有理数である。

命題q: すべてのnに対して、n+1nは無理数である。

難易度4/ 10計算量3/ 10目安15

数と式論証・証明 反例構成、背理法、素因数分解

方針

命題 p は、整数の平方根が有理数ならその整数は平方数であることを使い、連続する2つの正整数がともに平方数になるかを調べる。差が1の正の平方数は 01 しかないため、n1 では存在しない。命題 q は差が有理数だと仮定し、その逆数を有理化して和 n+1+n も有理数になることを示す。和と差が有理数なら2つの平方根がともに有理数となり、命題 p の否定事実と矛盾する。

解答

まず命題pを調べる。整数NについてN=rs(gcd(r,s)=1, s>0)と書けるなら、Ns2=r2よりsrである。したがってs=1であり、Nは平方数である。したがって、nn+1 がともに有理数なら、ある整数 r,s を用いて n=r2,n+1=s2 と表せる。ただし n+1>n なので s>r1 である。このとき s2r2=1 すなわち (sr)(s+r)=1 である。しかし s>r1 なら sr1,s+r3 であり、積が1になることはない。よってそのような n は存在しない。したがって命題 p は正しくない。

次に命題 q を調べる。ある n1 について r=n+1n が有理数であると仮定する。この r は正であるから、1r も有理数である。ところが 1r=1n+1n=n+1+n である。したがって n+1n,n+1+n がともに有理数である。

この2式を足し引きするとn+1=12{(n+1+n)+(n+1n)}およびn=12{(n+1+n)(n+1n)}も有理数になる。これは、命題 p の検討で示した「n1 では nn+1 がともに有理数になることはない」という事実に反する。

よってすべての n1 について n+1n は無理数である。したがって命題 q は正しい。

別解

解法2(積と最大公約数を使う)

方針

命題pは連続する平方数の不存在で否定する。命題qでは差が有理数と仮定して2乗し、n(n+1)が有理数になることを導く。互いに素なn,n+1の積が平方数なら両方が平方数となるため矛盾する。

解答

整数NについてNが有理数なら、Nは整数の平方である。実際、N=rs(gcd(r,s)=1, s>0)とおくとNs2=r2である。これよりsrとなるのでs=1である。

命題p

もし命題が正しければ、ある正の整数r,sについてn=r2,n+1=s2となる。よって1=s2r2=(sr)(s+r).しかしs>r1なのでsr1, s+r3であり、積は1にならない。したがって命題pは正しくない。

命題q

あるn1についてt=n+1nが有理数であると仮定する。両辺を2乗するとt2=2n+12n(n+1)だから、n(n+1)も有理数である。したがってn(n+1)は平方数である。

ところがgcd(n,n+1)=1である。互いに素な2整数の積が平方数なら、素因数の指数を比較することで各整数がそれぞれ平方数だと分かる。するとn,n+1は連続する正の平方数となり、命題pの検討に反する。

ゆえに差は常に無理数であり、命題qは正しい。

総評

難度4、計算量3。命題pは存在命題だが、反例ではなく「そのようなnが存在しない」ことを示して偽と判定する。命題qは有理化で和を作る方法と、積n(n+1)と互いに素を使う方法の2答案を収録した。「整数の平方根が有理数なら平方数」という補題にも理由を付けた。10分から15分が目安である。

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出典: 京都大学 2007年度 前期 数学(文系)(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。