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京都大学 2007年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第4問

座標空間で点(3,4,0)を通りベクトルa=(1,1,1)に平行な直線をl、点(2,1,0)を通りベクトルb=(1,2,0)に平行な直線をmとする。点Pは直線l上を、点Qは直線m上をそれぞれ勝手に動くとき、線分PQの長さの最小値を求めよ。

難易度5/ 10計算量5/ 10目安15

ベクトル 内積の利用ベクトル成分計算、範囲評価

方針

2直線上の点をそれぞれ媒介変数で表し、PQ の長さの2乗を s,t の2変数2次式にする。長さそのものではなく2乗を最小にしてよい。最小点では s 方向、t 方向に少し動かしても2乗距離が減らないので、偏微分に相当する一次条件を解く。得られた s,t を代入して最短距離を出す。別解として、最短の PQ は2直線の方向ベクトルの両方に垂直になることを用いても同じ連立一次方程式に帰着する。

解答

直線 l 上の点を P=(3+s, 4+s, s) とおき、直線 m 上の点を Q=(2+t, 12t, 0) とおく。ただし s,t は実数である。このとき QP=PQ=(1+st, 5+s+2t, s) であるから、距離の2乗は D(s,t)=(1+st)2+(5+s+2t)2+s2 である。 D(s,t) を最小にする点では、s だけを動かしたときも、t だけを動かしたときも一次の変化が0になる。したがって(1+st)+(5+s+2t)+s=0,(1+st)+2(5+s+2t)=0である。整理すると 3s+t+6=0,s+5t+9=0 となる。これを解いて s=32,t=32 を得る。

ここでu=s+32,v=t+32とおく。直接展開するとD(s,t)=72+3u2+2uv+5v2=72+2u2+(u+v)2+4v2.したがってすべての実数s,tに対してD(s,t)72であり、等号はu=v=0、すなわちs=t=32のときだけ成り立つ。よって得られた点は確かに大域的最小点である。

このとき QP=(1, 12, 32) であるから、最小値の2乗は12+(12)2+(32)2=1+14+94=72である。よって線分 PQ の長さの最小値は 72=142 である。

最短の線分は、ねじれの位置にある2直線の方向ベクトルの両方に垂直になる。

別解

解法2(共通法線と内積)

方針

2直線の方向ベクトルの両方に垂直なベクトルを、内積が0になる連立方程式から求める。任意のQPはこの法線方向の成分が一定である。コーシー・シュワルツの不等式で下限を出し、実際に等号を達成する点を示す。

解答

直線l,mの方向ベクトルをa=(1,1,1),b=(1,2,0)とする。両方に垂直なベクトルをn=(u,v,w)とするとna=0,nb=0.すなわちu+v+w=0,u2v=0であるからn=(2,1,3)と選べる。

直線上の点をP=(3,4,0)+sa,Q=(2,1,0)+tbとする。このときQPn={(1,5,0)+satb}n=(1,5,0)(2,1,3)=7.コーシー・シュワルツの不等式より7QPn=14QP.したがってPQ714=142.実際、s=t=32とすればQP=(1,12,32)=12nとなり、等号が成り立つ。よって最小値は142である。

総評

難度5、計算量5。媒介変数による2乗距離の最小化と、共通法線への内積を使う2解法を収録した。第1解法では停留条件だけで終わらず、平行移動後の正定値2次式から大域的最小値であることを確認する。第2解法は両方向に垂直なベクトルを連立一次方程式で求め、コーシー・シュワルツの不等式の等号成立まで確認する。15分から18分が目安である。

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出典: 京都大学 2007年度 前期 数学(文系)(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。