Evolton

九州大学 1987年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第6問

双曲線C:y2x2=1について,次の問に答えよ.

(1)P(x0,y0)では,Pを通ってCに接する直線が2本あるとする.
これらの直線の傾きの和と積をx0y0で表せ.

(2) さらに,(1)において傾きの積が一定値k (0<k<1)であるとする.
このような点Pの軌跡を求めよ.

難易度6/ 10計算量6/ 10目安22

図形と方程式 接線・法線判別式軌跡

方針

P(x0,y0) を通る傾き m の直線を yy0=m(xx0) とおき、双曲線に代入する。接する条件は、得られる2次方程式が重解をもつことなので、判別式0から m の2次方程式を作る。その2解が2本の接線の傾きであるため、解と係数の関係で和と積を読む。(2) は積 k を代入して曲線を出し、さらに本当に2本の異なる接線が存在するための判別式正の条件を付け加える。

解答

(1)
P(x0,y0) を通る傾き m の直線を yy0=m(xx0) とおく。すなわち y=mx+y0mx0 である。これを双曲線 y2x2=1 に代入すると (mx+y0mx0)2x2=1 である。これは x についての2次方程式であり、直線が接線であるためには重解をもつ必要がある。

判別式を0とする代わりに、整理された接線条件を書き出すと (y0mx0)2+m21=0 である。これを m について整理して (x02+1)m22x0y0m+y021=0 を得る。

2本の接線の傾きを m1,m2 とすると、この2次方程式の2解である。したがって解と係数の関係より m1+m2=2x0y0x02+1 であり、m1m2=y021x02+1 である。

(2)
傾きの積が k であるから、(1) より y21x2+1=k である。したがって y21=k(x2+1) であり、y2kx2=1+k が候補となる。

ただし、問題では点 P を通る接線が2本あるとされている。したがって (1) で得た m の2次方程式が異なる2つの実数解をもつ必要がある。その判別式は正でなければならないので (2xy)24(x2+1)(y21)>0 である。整理すると x2y2+1>0 となる。

候補の曲線上では y2=kx2+1+k であるから、上の条件は x2(kx2+1+k)+1>0 すなわち (1k)x2k>0 である。 1<k<0 のときは、1k>0 かつ k>0 であるから (1k)x2k>0 はすべての実数 x で成り立つ。したがってこの場合の軌跡は y2kx2=1+k の実際に点が存在する部分全体である。 0<k<1 のときは (1k)x2>k すなわち x2>k1k が必要である。したがってこの場合の軌跡は y2kx2=1+k,x2>k1k を満たす部分である。

別解

解法2(接線の傾きによる表示)

方針

傾き m の双曲線の接線を y=mx±1m2 と表す。点 P を通る条件を平方して m の2次方程式を作り、和・積と異なる2接線の条件を得る。

解答

(1)
傾き m の直線 y=mx+c を双曲線へ代入する。接するときは(mx+c)2x2=1が重解をもち、その条件を整理するとc2=1m2.したがって接線はy=mx±1m2(m<1)と表せる。これが P(x0,y0) を通る条件を平方すると(y0mx0)2=1m2.よって2本の接線の傾きは(x02+1)m22x0y0m+y021=0の2解である。解と係数の関係からm1+m2=2x0y0x02+1,m1m2=y021x02+1.(2)
積が k なので候補となる軌跡はy2kx2=1+k.ただし傾きの2次方程式が異なる2実解をもつ条件はx2y2+1>0.候補の式を代入すると(1k)x2k>0.したがって 1<k<0 では候補曲線の全体、y2kx2=1+k,0<k<1 ではy2kx2=1+k,x2>k1kを満たす部分が軌跡である。

総評

双曲線へ引いた2接線の傾きと点の軌跡を扱う問題で、目安は22分。積をkと置いた曲線方程式だけでは不十分で、異なる2本の実接線を保証する判別式正の条件を必ず付ける。

冊子PDFで見る九大の図形と方程式の問題で問題集を作る

出典: 九州大学 1987年度 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。