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九州大学 1985年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第1問

座標平面上において動点Pは集合M={(x,y)x2+y2=a2} (0<a<1)上を動き,
動点Qは集合N={(x,y)x+y=1}上を動くものとする.
OR=OP+OQとしたとき,
Rはどのような図形上を動くかを図示説明し,
その図形の面積を求めよ.

難易度7/ 10計算量6/ 10目安30

図形と方程式積分 図形的解釈面積計算、場合分け

方針

R は、ひし形 x+y=1 の周上の点 Q を中心とする半径 a の円周上を動く点である。したがって全体は、ひし形の周からの距離が a 以下である帯状領域として読む。外側はひし形を距離 a だけふくらませた図形、内側は周から距離 a より大きい部分を除いた図形になる。ひし形の中心から各辺までの距離が 1/2 であるため、中央の穴が残る場合と残らない場合に分け、外側面積から必要なら内側の相似なひし形の面積を引く。

解答

集合 N は、頂点 (1,0),(0,1),(1,0),(0,1) をもつひし形の周である。固定した QN に対し、P は原点中心、半径 a の円周上を動くので、R=Q+P は中心 Q、半径 a の円周上を動く。Q をひし形の周上で動かすと、R の動く範囲は、ひし形の周からの距離が a 以下の点全体である。図としては、ひし形 x+y=1 の周を中心線とする幅 a の帯である。

まず外側へふくらむ部分を求める。ひし形の面積は、対角線の長さがともに 2 であるから 222=2 である。また1辺の長さは 2 なので周の長さは 42 である。周を外側へ距離 a だけ平行に動かすと、各辺に沿う長方形部分の面積の合計が 42a となる。さらに4つの頂点でできる丸みは、外角の和が 2π であることから、合わせて半径 a の円1個分、すなわち πa2 である。したがって外側まで含めた図形の面積は 2+42a+πa2 である。

次に内側で覆われずに残る部分を調べる。ひし形 x+y1 の中心から各辺までの距離は 12 である。したがって 0<a<12 のとき、中心付近には周からの距離が a より大きい点が残る。この残りは x+y<12a で表される相似なひし形であり、その対角線の長さはどちらも 2(12a) である。よって残るひし形の面積は 2(12a)2(12a)2=2(12a)2 である。

よって 0<a<12 のとき、求める面積 SS=2+42a+πa22(12a)2=2+42a+πa22(122a+2a2)=82a+(π4)a2.一方、12a<1 のときは、ひし形の内側がすべて帯に含まれる。したがって面積は外側へふくらませた図形そのものであり、S=2+42a+πa2 となる。

以上より、求める面積はS={82a+(π4)a2(0<a<12),2+42a+πa2(12a<1).図示では、ひし形の周を中心線とする帯を描き、a<1/2 では中央に相似なひし形の穴が残り、a1/2 では穴がなくなることを明示する。

帯の形と中央の穴の有無は次図のようになる。

別解

解法2(外側と内側を平行曲線で数える)

方針

ひし形の各辺を外側へ距離 a だけ平行移動して得る4長方形と、頂点まわりの扇形を数える。内側では、辺から距離 a より大きい相似なひし形が残るかどうかを内接円半径で判定する。

解答

固定した QN に対し、R は中心 Q、半径 a の円周上を動く。よって全体はひし形 N の周の両側にできる幅 a の帯である。

ひし形の面積は 2、周長は 42 である。外側部分は、もとのひし形、4辺に沿う長方形、外角を合わせて1周分になる扇形から成るのでSout=2+42a+πa2.中心から各辺までの距離は 1/2 である。a<1/2 なら、内側にx+y<12aという相似なひし形が穴として残り、その面積はShole=2(12a)2.a1/2 なら穴はない。したがってS={82a+(π4)a2(0<a<1/2),2+42a+πa2(1/2a<1).境界 a=1/2 では穴の面積が0になり、2式は一致する。

総評

難易度は7、計算量は6程度である。想定時間は25分から35分程度。最大のポイントは、R=Q+P を単なる和の式ではなく、ひし形の周を中心として半径 a の円を動かした帯として読むことである。面積計算では外側へふくらませた面積と内側に残る穴を分け、境目がひし形の内接円の半径 1/2 で決まることを明記したい。よくある誤りは、中央の穴を常に引く、または常に引かないことである。図示では帯の外形だけでなく、a<1/2 のときの内側の相似なひし形まで描けると採点上も説明が強い。 2つの解法と解説図を相互に照合し、境界値・除外点・符号も確認した。

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出典: 九州大学 1985年度 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。