方針
点 は、ひし形 の周上の点 を中心とする半径 の円周上を動く点である。したがって全体は、ひし形の周からの距離が 以下である帯状領域として読む。外側はひし形を距離 だけふくらませた図形、内側は周から距離 より大きい部分を除いた図形になる。ひし形の中心から各辺までの距離が であるため、中央の穴が残る場合と残らない場合に分け、外側面積から必要なら内側の相似なひし形の面積を引く。
解答
集合 は、頂点 をもつひし形の周である。固定した に対し、 は原点中心、半径 の円周上を動くので、 は中心 、半径 の円周上を動く。 をひし形の周上で動かすと、 の動く範囲は、ひし形の周からの距離が 以下の点全体である。図としては、ひし形 の周を中心線とする幅 の帯である。
まず外側へふくらむ部分を求める。ひし形の面積は、対角線の長さがともに であるから である。また1辺の長さは なので周の長さは である。周を外側へ距離 だけ平行に動かすと、各辺に沿う長方形部分の面積の合計が となる。さらに4つの頂点でできる丸みは、外角の和が であることから、合わせて半径 の円1個分、すなわち である。したがって外側まで含めた図形の面積は である。
次に内側で覆われずに残る部分を調べる。ひし形 の中心から各辺までの距離は である。したがって のとき、中心付近には周からの距離が より大きい点が残る。この残りは で表される相似なひし形であり、その対角線の長さはどちらも である。よって残るひし形の面積は である。
よって のとき、求める面積 は一方、 のときは、ひし形の内側がすべて帯に含まれる。したがって面積は外側へふくらませた図形そのものであり、 となる。
以上より、求める面積は図示では、ひし形の周を中心線とする帯を描き、 では中央に相似なひし形の穴が残り、 では穴がなくなることを明示する。
帯の形と中央の穴の有無は次図のようになる。
別解
解法2(外側と内側を平行曲線で数える)
方針
ひし形の各辺を外側へ距離 a だけ平行移動して得る4長方形と、頂点まわりの扇形を数える。内側では、辺から距離 a より大きい相似なひし形が残るかどうかを内接円半径で判定する。
解答
固定した に対し、 は中心 、半径 の円周上を動く。よって全体はひし形 の周の両側にできる幅 の帯である。
ひし形の面積は 、周長は である。外側部分は、もとのひし形、4辺に沿う長方形、外角を合わせて1周分になる扇形から成るので中心から各辺までの距離は である。 なら、内側にという相似なひし形が穴として残り、その面積は なら穴はない。したがって境界 では穴の面積が0になり、2式は一致する。
総評
難易度は7、計算量は6程度である。想定時間は25分から35分程度。最大のポイントは、 を単なる和の式ではなく、ひし形の周を中心として半径 の円を動かした帯として読むことである。面積計算では外側へふくらませた面積と内側に残る穴を分け、境目がひし形の内接円の半径 で決まることを明記したい。よくある誤りは、中央の穴を常に引く、または常に引かないことである。図示では帯の外形だけでなく、 のときの内側の相似なひし形まで描けると採点上も説明が強い。 2つの解法と解説図を相互に照合し、境界値・除外点・符号も確認した。