方針
漸化式 ak+1+bak=1 は、定数解を引くと等比型になる。b=−1 では定数解 1/(1+b) を使って ak+1−L=−b(ak−L) と直し、一般項を求める。b=−1 では定数解の分母が消えるので別扱いにし、等差数列として処理する。和はそれぞれ等比数列の和、等差数列の和を用いる。
解答
(1)
まず b=−1 とする。定数 L が L+bL=1 を満たすように取ると L=1+b1 である。漸化式から ak+1−L=−b(ak−L) となるので、ak−L は公比 −b の等比数列である。したがって ak−L=(a1−L)(−b)k−1 であり、a1=a より ak=1+b1+(a−1+b1)(−b)k−1 である。
次に b=−1 の場合、漸化式は ak+1−ak=1 となる。よって ak=a+k−1 である。
(2) b=−1 のとき、(1) の式を足し合わせてk=1∑nak=1+bn+(a−1+b1)k=1∑n(−b)k−1である。等比数列の和より k=1∑n(−b)k−1=1+b1−(−b)n だからk=1∑nak=1+bn+(a−1+b1)1+b1−(−b)nである。 b=−1 のときは k=1∑nak=k=1∑n(a+k−1)=na+2n(n−1) である。
別解
解法2:漸化式を順に代入して一般化する
方針
漸化式へ順に代入し、初項に掛かる項と定数から生じる有限等比和へ分ける。
b=−1 で閉じた式に直し、b=−1 は有限和の式から別に整理する。
解答
(1)
漸化式を繰り返し代入するとak=(−b)k−1a+j=0∑k−2(−b)j.b=−1 ならak=(−b)k−1a+1+b1−(−b)k−1=1+b1+(a−1+b1)(−b)k−1.b=−1 なら有限和から ak=a+k−1 である。
(2)
b=−1 ではk=1∑nak=aj=0∑n−1(−b)j+1+b1{n−j=0∑n−1(−b)j}=1+bn+(a−1+b1)1+b1−(−b)n.b=−1 ではk=1∑nak=na+2n(n−1).
総評
難度4、計算量4。定数解を引いて等比数列に直す標準的な漸化式問題である。想定時間は16分程度。分母 1+b が現れるため、b=−1 を必ず別に扱う必要がある。和の計算では、一般項の定数部分と等比部分を分けて足すとミスが少ない。 2解法の結論を相互照合し、定義域、符号、端点、等号成立条件を確認した。 問題に即した高校数学の範囲だけで構成した。
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出典: 九州大学 1990年度 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。