方針
接線の傾き ntn−1 から法線の式を作り、y 軸との交点 Q を求める。囲まれる部分は 0≦x≦t で法線の下、曲線 y=xn の上にあるので、その差を積分する。得た面積 S(t) は2項の和で、t>0 に対して微分して最小を調べる。臨界点での関係式を使い、最小値を簡潔に整理する。
解答
(1)
曲線 y=xn の P(t,tn) における接線の傾きは ntn−1 である。したがって法線の傾きは −ntn−11 であり、法線の方程式は y−tn=−ntn−11(x−t) である。これに x=0 を代入すると、Q の y 座標は tn+ntn−1t=tn+n1t2−n である。 0≦x≦t において、法線上の点の y 座標は tn+n1t2−n−ntn−1x である。求める面積を S(t) とすると S(t)=∫0t(tn+n1t2−n−ntn−1x−xn)dx である。各項を積分してS(t)=tn+1+n1t3−n−2n1t3−n−n+11tn+1=n+1ntn+1+2n1t3−nを得る。
(2) t>0 で S(t)=n+1ntn+1+2n1t3−n を微分すると S′(t)=ntn+2n3−nt2−n である。最小となる候補は S′(t)=0 を満たす点であり、これは ntn=2nn−3t2−n すなわち t2n−2=2n2n−3 である。n≧4 なので右辺は正で、解は t=(2n2n−3)2n−21 である。
また t→0+ では t3−n→∞、t→∞ では tn+1→∞ であるから、この臨界点で面積は最小となる。
臨界点では tn+1=2n2n−3t3−n である。これを S(t) に代入すると、最小値はSmin=n+1n⋅2n2n−3t3−n+2n1t3−n=n(n+1)n−1t3−nである。したがってSmin=n(n+1)n−1(2n2n−3)2n−23−nである。
別解
解法2:べきの置換後に最小化する
方針
u=tn−1 とおき、面積を u の正のべきと負のべきの和へ変える。
u>0 上で微分し、唯一の臨界点と両端の増大から最小値を求める。
解答
(1)
法線はy−tn=−ntn−1x−t,したがって Q=(0,tn+t2−n/n) である。法線と曲線の差を積分してS(t)=n+1ntn+1+2n1t3−n.(2)
u=tn−1>0 とおくとS=u−n−1n−3(n+1nu2+2n1).これを u で微分すると、唯一の臨界点はu2=2n2n−3.両端で S→∞ なのでここで最小となり、t=(2n2n−3)2n−21.この関係を面積式へ戻すとSmin=n(n+1)n−1(2n2n−3)2n−23−n.
総評
難度7、計算量7。法線の切片、面積積分、1変数関数の最小化を順に進める重めの微積分問題である。想定時間は32分程度。n≧4 のため面積式に負の指数の項が現れるので、t→0+、t→∞ の両端で面積が大きくなることを確認してから臨界点を最小と判断したい。最小値は臨界点の関係式を使って整理すると計算が短くなる。 2解法の結論を相互照合し、定義域、符号、端点、等号成立条件を確認した。 問題に即した高校数学の範囲だけで構成した。
冊子PDFで見る九大の微分の問題で問題集を作る
出典: 九州大学 1990年度 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。