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名古屋大学 1996年度 前期日程 第2次学力試験 確率文系数学 第3問(b)

3人がじゃんけんで1,2,3番を決める.
ちょうどn回目で3人の順位が確定する確率P(n)を求めよ.
ただし3人とも,グー,チョキ,パーを出す確率は
すべて13とする.

難易度5/ 10計算量4/ 10目安12

確率 状態分類、独立性の利用、数え上げ

方針

3人のじゃんけんでは,1回で全順位が決まることはない。まず全員同じ手または全員異なる手なら何も決まらず,それ以外なら1人だけが1位または3位に確定する。その後は残った2人の順位が決まるまでの問題になる。3人の段階で初めて1つの順位が決まる時刻と,2人の段階で決着するまでの回数を足して n 回にする形で数える。

解答

3人が1回じゃんけんをするとき,結果は全部で 33=27 通りで等確率である。

全員が同じ手を出す場合は3通り,全員が異なる手を出す場合は 321=6 通りで,このとき順位は何も決まらない。したがって,3人のままやり直しになる確率は 3+627=13 である。それ以外の18通りでは,1人だけが勝つか,1人だけが負けるので,1位または3位が1つ確定する。この確率は 1827=23 である。

残った2人のじゃんけんでは,1回で順位が決まる確率は 23 であり,あいこでやり直しになる確率は 13 である。

ちょうど n 回目で3人の順位が確定するには,まず3人の段階で k 回何も決まらず,k+1 回目に1つの順位が決まり,その後2人の段階で nk2 回あいこが続き,最後に決着すればよい。ここで k=0,1,,n2 である。したがって n2 のときP(n)=k=0n2(13)k23(13)nk223=k=0n243n=4(n1)3nである。1回だけで3人の順位がすべて確定することはないので P(1)=0 である。

別解

解法2

方針

「まだ3人のまま」と「1人の順位だけ決まり2人が残った」の2状態を追う。各時刻の状態確率に漸化式を立て、ちょうど n 回目に2人状態から決着する確率を求める。

解答

n 回終了後も3人の順位が1つも決まっていない確率を un
1人の順位だけ決まり残り2人が未決着である確率を vn とする。
初期値はu0=1,v0=0.3人のじゃんけんで何も決まらない確率は 1/3、1人の順位が決まる確率は 2/3 である。
また2人のじゃんけんがあいこになる確率は 1/3 である。したがってun=13un1,vn=23un1+13vn1.第1式からun=(13)n.第2式に代入し、wn=3nvn とおくとwn=wn1+2,w0=0.よってvn=2n3n.ちょうど n 回目で全順位が確定するには、n1 回後に2人状態にあり、
最後のじゃんけんで決着すればよい。したがって n2 ではP(n)=23vn1=232(n1)3n1=4(n1)3n.1回で3人の全順位が決まることはないのでP(1)=0.

総評

3人の段階と2人の段階を分ける確率問題である。難易度は5,計算量は4程度で,想定時間は12分前後。全員異なる手の場合は順位が決まらない,という通常のじゃんけんの扱いを間違えないことが重要である。n=1 では不可能なので P(1)=0 を別に書くこと,n2 では「3人で決まる時刻」をどこに置くかを明確にして和を作ることが採点上のポイントになる。 2解法の結論を相互照合し、定義域、端点、場合分け、問題文の解釈、図示範囲を確認した。

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出典: 名古屋大学 1996年度 前期日程 第2次学力試験 文系 前期 第3問(b)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。