方針
部分和を Sn とおき,条件 Sn=(an+1/4)2 を Sn−Sn−1=an と組み合わせて隣接2項の関係を作る。式は平方の等式になり,符号の選択として an=an−1+1/2 または an=−an−1 が現れる。今回はすべての項が正なので負になる選択を除き,初項 a1=1/4 から等差数列として一般項を求める。
解答
部分和を Sn=a1+a2+⋯+an とおく。条件は Sn=(an+41)2 である。
まず n=1 とすると a1=(a1+41)2 である。整理すると a12−21a1+161=0 すなわち (a1−41)2=0 なので a1=41 である。
次に n≧2 とする。Sn−Sn−1=an より (an+41)2−(an−1+41)2=an である。左辺を整理して an2−21an−an−12−21an−1=0 となる。両辺に 1/16 を加えると (an−41)2=(an−1+41)2 である。
したがって an−41=an−1+41 または an−41=−(an−1+41) である。後者は an=−an−1 を意味するが,すべての an は正であり,an−1>0 なのでこれは許されない。よって常に an=an−1+21 である。
初項 a1=1/4,公差 1/2 の等差数列だから an=41+(n−1)21=42n−1 である。
別解
解法2
方針
小数係数を消すため bn=4an とおく。部分和条件から得られる2つの遷移を整数列 bn の形で整理し、正項条件がどちらを選ばせるかを帰納的に確認する。
解答
部分和を Sn とする。まず n=1 ではa1=(a1+41)2より(a1−41)2=0,a1=41.n≧2 では Sn−Sn−1=an を用いると(an−41)2=(an−1+41)2.bn=4an とおけば(bn−1)2=(bn−1+1)2だからbn=bn−1+2またはbn=−bn−1.初項は b1=1 である。すべての an、したがってすべての bn が正なので、
第2の遷移 bn=−bn−1 は一度も選べない。よって帰納的にbn=1+2(n−1)=2n−1.以上からan=4bn=42n−1.
総評
部分和条件から漸化式を作る標準問題である。難易度は5,計算量は4程度で,想定時間は12分前後。差がつくのは,平方の等式から二つの符号選択が出ることを明示し,正項条件によって an=−an−1 を除く点である。初項の計算も重解になるため,a1=1/4 を確実に出してから等差数列へつなげると答案が安定する。 2解法の結論を相互照合し、定義域、端点、場合分け、問題文の解釈、図示範囲を確認した。
冊子PDFで見る名大の数列の問題で問題集を作る
出典: 名古屋大学 1996年度 前期日程 第2次学力試験 文系 前期 第3問(a)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。