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名古屋大学 1995年度 前期日程 第2次学力試験 確率・数列文系数学 第3問(a)

1の目が出ているサイコロがある.
このサイコロを等確率でいずれかの横の面の側に倒す.
この操作を繰り返してn回目に1か6の目が出る確率を求めよ.
ただし,1と6とは反対側の面にあるものとする.

難易度5/ 10計算量4/ 10目安15

確率数列 状態分類漸化式の変形、特性方程式

方針

上面が 1 または 6 であるかどうかだけに注目し,2つの場合に分けて確率を追う。上面が 1,6 のどちらかなら,横へ倒した直後に 1,6 は上に来ない。上面がそれ以外なら,横の4面のうち2面が 1,6 なので,次に目的の状態へ入る確率は 1/2 である。この2状態の漸化式を固定値から解く。

解答

pn を,n 回操作した後に上面が 1 または 6 である確率とする。はじめ上面は1であるから p0=1 である。

上面が 1 または 6 であるとき,その反対側の面はそれぞれ 6 または 1 である。横の面の側へ倒すので,次の上面は 1,6 のどちらにもならない。したがって,この場合に次に 1 または 6 が出る確率は0である。

一方,上面が 1,6 以外であるとき,16 は互いに反対側にあり,どちらも横の4面の中にある。横の4面のいずれかに等確率で倒すので,次に 1 または 6 が出る確率は 24=12 である。

よって pn+1=12(1pn) である。この漸化式の一定値 pp=12(1p) より p=13 である。したがって pn+113=12(pn13) となる。p0=1 だからpn13=(12)n(113)=23(12)nである。ゆえに,求める確率は pn=13+23(12)n である。

上面を2状態にまとめる

別解

解法2

方針

上面を「1または6」と「その他」の2状態にまとめ、2状態の遷移行列を作る。
固有値 1,1/2 に対応する定常部分と減衰部分へ分けて確率を求める。

解答

n 回後に上面が 1 または 6 である確率を pn、その他である確率を qn とする。
目的の状態から次に目的の状態へ移る確率は0、その他の状態から目的の状態へ移る確率は 1/2 なので(pn+1qn+1)=(01/211/2)(pnqn).この行列の固有値は 1,1/2 である。固有値1に対応する確率ベクトルは(1/32/3)である。初期値は (p0,q0)=(1,0) だから(10)=(1/32/3)+23(11).後半のベクトルは1回ごとに 1/2 倍される。したがってpn=13+23(12)n.

総評

難度は10段階中5、計算量は10段階中4。目安時間は12分から16分。サイコロの細かい向きをすべて区別する必要はなく,上面が 1,6 の組に入っているかどうかだけで次の確率が決まる。16 が反対側にあるため,上面がそれ以外のときは横4面のうち2面が目的の面になる,という読み取りが要点である。漸化式は固定値 1/3 を引くと一行で解ける。 2解法の結論を照合し、条件の必要十分性、端点、符号、定義域、等号成立条件を再確認した。図は論証を補助するものに限定し、縮尺に依存しない式による説明も併記している。

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出典: 名古屋大学 1995年度 前期日程 第2次学力試験 文系 第3問(a)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。